経営が上手くいかない時、大抵、嫌なことを金のために我慢してやっている
経営が上手くいかない時は、「嫌な仕事を我慢してやっている」という状態になっていることが多いと感じています。
お金のために我慢しているとか、後継者だから仕方がなくやっているというような心境です。
この状態が続くと、様々な厄介事が起こります。特に、人間関係の悪化は早々に訪れます。
楽しいことをやっている時って、他人がどうしていようと気にならないものですが、我慢している時は、「私がこんなに辛い思いをしているのに」と他人がちゃんとしていない事に腹が立つものです。
嫌なことを我慢してやっている状態は「迷惑を被っている」と言い換えることができると思います。やりたくない事をやらされているという被害者意識です。
そんな時に上手くいかない事が起きると、「ただでさえ迷惑なのに」と、その原因をつくった人に腹が立ちます。
こうした迷惑現象は「他人に迷惑をかけてはいけない」という日本の文化が影響しています。
インドなどでは、「人は他人に迷惑をかけるものだから、他人から受けた迷惑には寛容になりなさい。許しなさい」と教育されるそうです。
「迷惑をかけてはいけない」という意識は他者への不寛容を生み出し、気付くと、「自分の周りには迷惑をかけるヤツばかり」という世界が広がります。
勿論、仕事をしていれば楽しくないこともありますが、そもそも論として「自分の商売を好きでやっているか?」「望んでやっているか?」という課題に行き着きます。
嫌なことでもお金になれば報われた気がしますから良いのですが、報われなくなると我慢ができなくなります。
だから、業績が悪くなると人間関係も悪くなるという組織が多いのだと考えます。
今、我慢しても報われないケースが増えています。
よく、「何を買うか?よりも誰から買うか?の時代になった」と言われます。
これは半分正解で半分は間違いだと考えています。半分間違いというのは、生活必需品はより安く性能・品質の良いものを買うからです。
消費には「苦痛の消費」と「楽しい消費」があります。前者の典型は生活財の消費で、財布からお金が出る時に痛みを感じます。
対し、後者はお金を使うことに喜びを感じます。
モノの豊かさと心の豊かさの違いと表現しても良いと思います。
前者の消費は大企業の土俵で、勝者が市場を総取りする「ゼロサムゲーム」で、後者は中小企業が活躍する「非ゼロサムゲーム」で市場は無限です。
「楽しい消費」は、非常に高度な創造性が求められます。
好きなことを商売にしている場では、愉しむことで創造性が発動しますし、良好な人間関係から創発が起こります。接客はストレートに明らかな差が出るでしょう。
こういう場でしか「楽しい購買」は実現しないと考えるのです。
商売を望んでやっているリーダーのもとに、それを望むメンバーが集まり顧客が集まる…これが指示ゼロ経営の「望みの統合」の真髄です。
ビジネスを、お金のために我慢するものではなく『人生を費やすに値するものに』
好きなことをしましょう。
今の仕事を「好き」に変えましょう。