社員を搾取する企業では、社員も会社を搾取するという怖い話

相手の姿は自分の姿…人間関係は鏡のような関係性だと言います。
相手が自分を信頼してくれない時、自分を振り返ると、自分も相手を信頼してないことが多いんですよね。

この法則を軽んじると、経営は大きなマイナスリスクを背負うことになるかもしれません。

以前に、経営の師匠に「お客様をデータで見ると、お客様もこちらをデータで見る」と教わりました。
企業が、顧客を経済的な価値だけで評価すると、顧客も企業を同じように評価します。そうなると、金銭的なメリット・デメリットでのみの関係になり、駆け引きばかりになります。
他に、コスパの良い企業が現れたら、すぐにスイッチしてしまいます。

同じことが働く現場でも起きています。
ここ20年で「搾取」という言葉が頻繁に使われるようになりました。
「労働力を搾取する」「やり甲斐を搾取する」といった使われ方がされますよね。
経営側が労働側を搾取するという構図ですが、鏡の法則の通り、逆の関係…働く人が会社を搾取することが同時に発生しています。

僕の知り合いの会社員は、「会社に忠誠心なんてない。利用するだけ利用してやる」と言います。
どうやって利用するのかと聞けば、「ノウハウを習得し、実績を作ったら独立する」ということらしい。
独立する人はみんなそうだと思ったのですが、知人は、顧客まで奪う計画だと言います。

「なんと恩知らずな…」と思ったのですが、鏡の法則に則れば、企業側も同じような態度で社員に接していたのかもしれません。

ノウハウを盗み独立することばかりが搾取ではありません。
「できるだけ少ない貢献で給料をもらう」というのも搾取の1つです。
これは、労働力を搾取する企業で働く社員が取る、典型的な搾取の方法です。

素晴らしい関係性の会社もあります。
ある会社は、女性社員の独立を会社をあげて応援しました。
その社員は、本当に会社が好きで、一生懸命に貢献してきました。会社が好きな理由は、自分を認めてくれ頼りにしてくれるからだと言います。

独立したいと思った時に、その思いを正直に社長に伝えました。
すると、社長は、「いいよいいよ!応援するよ」と言ってくれたそうです。実際に、独立後に、その女性に仕事の発注をしたことで、スムーズに事業が立ち上がりました。

社長に、「大切な社員を失ったという悲しさはないですか?」と聞いたら、「もちろんあるが、残った社員が希望を持つようになり、組織レベルが上がった」と言っていました。
実際に独立する人はほんのわずかですが、組織全体に上昇志向が醸成されたのです。

搾取の関係になっているか、与え合う関係になっているか?
時々、社員さんの態度をみて省みることも大切だと思います。

それでは今日も素敵な1日をお過ごしください。

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