オシャレな消臭スプレーが売れなかった事実に見る、デザインの奥深さ

僕は、買い物をする時には、できるだけ包装をしないように店員さんにお願いします。
環境への配慮ではなく、捨てるのが面倒だからです。
家電品などは、製品と取り説だけいただいて、箱はお店で始末してもらうことがあります。

そんな中にあり、アップル製品だけは別格なのです。
箱はもちろんですが、「開封」という体験にも価値を見出しています。
携帯電話屋さんで買うと、店員さんに箱を開けられてしまうので、アップル公式で買うようにしています。

僕は、iPhone3Gsでユーザーになりましたが、始めてiPhoneを箱から取り出した時は、まさに「開封の儀」の様相で、「新しい人生が始まる」と、うやうやしい気持ちになったことを覚えています。
気密性が絶妙で、開ける時の重々しい抵抗がたまらないんです。

大げさですかね? 笑

僕のように、箱を後生大事に保管する人も多いと思います。
以前に、SNSでこのことを投稿したら、共感のコメントが多数入りました。

僕にとって、アップル製品は、開封の儀も含めて価値を成すのです。

こうした価値を、「感性価値」と呼びます。
ちなみに、同社には、箱の開封を考える専門の部署があり、パッケージデザイナーが日々、研究開発をしているそうです。

感性価値は、これからの時代のキーワードだと思います。

感性価値は、製品、サービスそのものと、それを取り巻く様々な要件…お店の立地やパッケージ、接客などなどで決まります。

その全体最適が重要なのですが、これが難しいのです。

以前に、オシャレなデザインの消臭スプレーが発売されたことがありますが、まったく売れませんでした。
たしか、「インテリアにもなる」という触れ込みだったように記憶しています。

売れなかった理由を、とあるビジネス誌が分析したのですが、それを読み、僕はすごく納得しました。
消臭スプレーは「いかにも臭いが取れそう」と予感させる、生活臭満載のデザインの方が良い、
ネーミングも、小林製薬的なベタさが合っているとのことです。

接客もデザインだと感じたことがあります。

ウチの近所にある魚屋さんは、店主自ら市場に足を運び、本当に美味しいお魚を提供しています。
お店に行くと、店主が、「お、米ちゃん、いいところに来た。今日はこのアジを買ってけ!」と、命令をするのです。

普通のスーパーマーケットでは懲戒ものの接客ですよね? 笑

感性価値とは、消費のトータル体験を内包するもので、非常に扱いが難しいものだと思います。

お客様とのすべての接点を洗い出して、それらが自社の価値にふさわしいデザインになっているか、第三者の目を借りてチェックするのが良いと思います。

僕も苦手な分野なのでがんばります!

それでは今日も素敵な1日をお過ごしください。

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