これからの時代に最も重要なスキルに選ばれたのはDXでも戦略思考でもなく「あのスキル」だった
以前に、あるビジネス誌で「仕事ができる人」という特集が組まれていて、興味深く読みました。
デジタルスキルや戦略思考など、多岐にわたるスキルが紹介されていましたが、圧倒的に多かったのは「関係性スキル」に関するもの…他者と継続的に良好な関係性を築く力でした。
それは、コミュニケーション能力とは違う、もっと根源的な力を指しているのです。
僕は、後に、関係性スキルは3つの要素で構成されていることを知りました。
「好かれる」「信頼される」「共感される」
嫌なヤツには仕事を頼まないし、頼まれたくもありません。
信頼がない人に仕事を頼まないし、頼まれたら、「裏があるんじゃないか?」と怪しくなります。
共感される力がある人には、損得勘定抜きに人が集まり協力してくれます。
しかし、ビジネス現場で、最も求められるスキルにも関わらず、教育されていないという事実もあります。
おそらく、教育しなくても自然と身につくと考えられているのだと思いますが、現代社会では身につきづらいスキルだと思います。
その理由は、便利になりすぎて共創・協働しなくても済んでしまうことが多いからです。
他人に聞かなくても1人で何でも調べられる。
パソコンが自分の分身のように仕事をしてくれる。
醤油がなくてお隣さんに借りることもない。
遊びは1人でできる。
ビジネス現場で関係性スキルが求められているのは、1人では解決できない課題、正解がないことに挑戦しているからです。
正解が分からない課題に対し、意見やアイデアを積み重ねていき、仮説を立て、役割分担を決めて行動し、行動した結果を振り返り次の行動を決める…そんなことを日常で行うことが求められます。
関係性スキルがない人が集まると、そもそも意見を言わない、意見を言っても、言いっ放しで積み重ねることができない、すぐに対立してしまう、誰かが仕切り出す…そんな状態になってしまいます。
これからは、関係性スキルは、入社してから教育しなければならなりません。
僕は、その教育法をある公立小学校の教員から学びました。
その教員のクラスは、通常の教科(理科、算数、国語など)を「部活化」しているのです。
僕が、授業参観をした時は、社会科の授業で、第二次世界大戦を扱っていました。なんと教鞭をとるのは担任ではなく児童です。
児童の解説の後、担任は児童たちに「この世界から戦争はなくせるか?」と問いが投げられます。
その問いに対し、「ある手法」を使い、全員の意見、考え方が見える化され、仲間の意見に刺激されながら対話が積み重なっていくのです。
Aくん:「Bくんの意見を聞いて、考え方が変わった」
Cさん:「どう変わったの?」
Aくん:「◯◯だと思ったからだよ」
Cさん:「なるほど、私もBくんの意見を聞いてみよう」
Dさん:「でも、こういう考え方もあるんじゃない?」
こんな場面が教室の至るところで展開され、ワイワイガヤガヤしているのに、全体の意見としてまとまっていくのです。
1人1人の関係性スキルの賜物です。
これを職場に置き換えてください。
メンバーの誰かが、例えば「顧客満足向上の方法」を勉強し、みんなの前で発表し、それをもとに自律的に研究が始まり、実践アイデアが生まれるのです。
僕は、これからを生きるすべての人、すべての企業にとって関係性スキルが課題解決の礎になると考えています。
※今日の内容に関心がある方は、11月18日(土)に開催される、出版記念イベントにお越し下さい。
実際にその教員が授業をやってくれます。
オンライン参加もありますよ!
⇒詳細はこちらから!
それでは今日も素敵な1日をお過ごしください。