どうすれば、職場において「自分らしく働く」を実現できるのか?
今から30年以上前までは、人々の間に「金銭的な富を得れば幸せになれる」という考え方が強く根付いていました。
経済が成長する時代だったので、頑張れば報われ、みんなが幸せを実感できただと思います。
2008年に、人口増加がピークに達し、その後は減少に転じています。
経済成長の大きな柱である人口増加を失った上に、生活者に一通りのモノが行き渡り、成熟社会に入りました。
頑張っても金銭的に報われない人が増え、私たちの価値観は徐々に変わっていきました。
より精神的な満足…特に、人よりも社会的地位が上だとか、稼ぎが良いだとか、そういうものから解放され、「自分らしく生きる」ことを大切にする人が増えたと感じています。
これは、新しいようで古い価値観です。
1600年代を生きた、スピノザとう哲学者がこの事を説いています。
スピノザは、自分が、本来の自分であろうとする力を「コナトゥス」と、姿かたちや社会的な地位などを「エイドス」と名付けました。
普遍的なキャリア形成を説いたバールーフ・デ・スピノザ
スピノザは、「賢者は、自分のコナトゥスが、何によって高められるか?何によって低下するか?を知っている」と言いました。
僕は、この事を30代の時に実感しました。
僕は、事務作業が苦手で、真剣に取り組んでも、必ずポンコツをしでかしてしまいます。
僕は、自分がそうなのだから、みんな、地道な事務作業は苦手で嫌いだと思っていました。
しかし、当社の女性事務員さんは、日々の事務作業を愉しんでいるのです。僕が、申し訳無さそうに事務作業をお願いすると、喜んで引き受けてくれるのです。
当時は、人間ができた人なのだと思っていましたが、僕と違い、彼女にとって、事務作業はコナトゥスが高まる行為だったのです。
僕の師匠は、「雇用というものは、自分がやりたくない仕事を任せるために行うものである」と言いました。これを聞いた時は、「なんて酷いことを言う人なんだ」と思いましたが、コナトゥスのことを言いたかったのです。
スピノザは、コナトゥスが高まる要因を知る最も有効な方法を、「試すこと」と説いています。
色々と試してみて、「どうやら自分は、これをしている時にコナトゥスが高まるらしい」と、しっくり来る要件を探るのです。
9月に金沢行った出版記念イベントでお招きした、ゲスト企業「株式会社ザカモア」の幹部社員さんが、サラッとこのことを言っていました。
参加者から「ヤル気のない社員の対応」に関する質問が出た時です。
てっきり、「根気よく対話して育てる」という話が出ると思ったのですが、「配置を変えると解決する」と、サラッと言ったのです
幹部社員さんの言葉が忘れられず、僕なりに考察し、今日のブログを書いたのです。
どうすれば、職場において「自分らしく働く」を実現できるのか?…そのヒントになれば幸いです。
それでは今日も素敵な1日をお過ごしください。
誰も縛らない、誰にも縛られないあなたが大好きです!
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