「業績を上げるためには社員の成長が必要」と考えるリーダーが業績を出せないワケ

優れたリーダーには「喜ぶ力」があります。
メンバーががんばっている姿、成長する姿を見て、自分事のように喜ぶのです。

喜ぶ力は人と組織を育てる一番の要件だと僕は考えています。
これは精神論ではありません。
グループダイナミクス的な力学なのです。

どんな取り組みも、最初は「たった1人」から始まります。
例えば、アイデア会議をしていたら、たった1人が面白いアイデアを出して、そこに「それいいね〜」とフォロワーが付き機運が高まっていきます。

このプロセスを細かく見ると、機運が高まるには4つの段階を踏みます。

①アイデアの言い出しっぺ(リーダー)
②1人目のフォロワーの登場
③みんなが楽しそうにやっているのを見て乗ってくるフォロワー
④安全であることが確認されてから乗るフォロワー

②は、リーダーの思いや情熱を受け、勇気を持って立ち上がります。
ここで「喜ぶ力」が効力を発揮します。
メンバーの多くは、リーダーではなく、同じ立場である1人目のフォロワーを見て刺激を受けます。
リーダーが、1人目のフォロワーに感謝し喜ぶ姿を見ると、③の人たちが乗ってくるのです。
逆に、②の人は、リーダーに喜ばれることで楽しくなります。楽しいことであれば周りの人を誘いたくなります。

こうして「喜ぶ力」をエネルギーに集団内にムーブメントが起きるわけです。

しかし、ここに大きな落とし穴があります。
リーダーにある呪縛があると素直に喜べないのです。

それはリーダーが「結果に縛られる」という呪縛です。
業績などの結果が目的で、その手段として部下の成長があると考えているリーダーは、結果が出るまでは心から喜べないのです。
部下からすれば、自分という存在ではなく結果を認められるわけですから嬉しくはありません。

また、結果を目的にすると、部下の成長幅よりも、結果と現状のギャップ(足りない部分)に目が行き、部下は成長しているにも関わらず「まだまだ」と言ってしまうのです。

僕の新刊の事例で紹介した企業のリーダーたちは、結果ではなく、メンバーが成長したこと、愉しんで仕事に取り組んでいることに喜びを感じています。

人生観や幸福観の違いです。

しかし、メンバーの成長やがんばる姿を喜ぶリーダーの方が、長期的、持続的に数値的な成果を出しています。
こう書くと、「業績などの結果が目的で、その手段として部下の成長がある」と捉える人が出ちゃうから難しいのです 笑

というわけで、グループダイナミクスの話から始まり、結局は精神論になったわけですが、人材育成の真理ですので、頭の片隅に置いてくだされば幸いです。

それでは今日も素敵な1日をお過ごしください。

グループダイナミクスは『指示ゼロ経営マスタープログラム』で学べます!

指示ゼロ経営マスタープログラム9期生募集
指示ゼロ経営のすべてを学ぶ唯一の講座です。自転車に乗れるようになった時のように、自律型組織を実際に体験しながら学びます。

「ゲームなどで体験してみる」→「指示ゼロ経営の成立要件を学ぶ」→「現場での再現方法を考える」

この3段階で安全かつ確実に指示ゼロ経営を職場にインストールします。
↓詳細は下のバナーから。