単なる「人の集団」が、目標に向かい団結する「組織」に変わる時

先日、母校の中学校で夢新聞ワークショップを行いました。
夢新聞とは、自分の夢が実現し、その活躍が、将来、新聞に載ったと仮定して、その記事を手作りするワークショップです。未来の日付を入れ、文章はすべて完了形で書きます。
夢が実現するまでのプロセスを、できるだけ詳細に書きます。

ワークショップではチームワークも学びます。
人は長所も短所もある不完全な存在だから、夢は1人では実現できません。パズルが1つ1つのピースの凹凸を補い合うと素敵な絵が描けるように、みんなで能力の凹凸を補うことで、みんなの夢が実現すると考えているのです。

そこで、協働を体験するために、ワークでは「制限時間(75分)以内に、クラス全員が夢新聞を完成させる」というミッションを与えます。
やり方はすべて自分たちで考えてもらいます。スタートしたら講師は何を聞かれても答えません。

子どもたちは、最初は戸惑い、講師に質問をしてくるのですが、何も答えない講師を見て、ついに諦め、仲間を頼りに協働を始めます。

黒板に大きな枠2個、並べて書き、左側の枠に子どもたちのネームプレートを貼ります。夢新聞が完成した人は右側の枠にネームプレートを移します。

状況の見える化により、子どもたちは、ミッション達成のための行動を自分たちで決めることができるのです。

母校では、毎年、入学したての1年生を対象に4月に行ってきましたが、今年は学校行事の都合で8月になったのです。

4ヶ月の違いは大きかったです。
入学直後では、まだ人間関係ができていませんので組織にはならず、チームワークが生まれません。
せいぜい同じ小学校の友達と小さなグループを作る程度です。
意識はミッションではなく、自分の夢新聞を完成させることに向いてしまいます。

先日は、スタート直後から互いの進捗を気にし、助け合いが起きていました。
しかし、この時点では、まだ最高の状態にはなっていません。

助け合う過程で互いの夢を知ることで共感が生まれます。講師は、何度も「みんなの夢を実現する最善の方法は、助け合うことだ」と伝えます。
すると、子どもたちの動きが変わります。

みんながミッション達成を強く意識するようになるのです。

ある子は、書けずに困っている人を助けます。
代筆する子もいます。
助けを求める人も現れます。
自分は助けられないが、その子に最適なヘルパーを連れてくる人もいます。

スタート直後は、単なる人の集団でした。子どもたちの視線は自分の夢新聞に向きます。
それが、「組織」になると、視線が黒板のネームプレートに向くのです。

今回は多くのクラスがミッションを達成しました。
その様子は講師だけでなく、毎日接してる担任の先生をも感動させました。

先日の夢新聞で、集団が組織になった要件は次の通りです。

□十分な人間関係ができていた
□1人1人の夢を実現する最善の方法は、助け合うことという認識があった
□互いの夢を知り、深い共感が生まれていた
□全体と個々の進捗が見える化されていた

これらは企業組織にも100%当てはまります。
上の4つの項目にチェックを入れると、やるべきことが見えてくると思います。

それでは今日も素敵な1日をお過ごしください。

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