水戸黄門が好きな人を採用してはいけない理由

先日、研修でお邪魔した企業さんでは、社員さんの自発性が素晴らしく育っていて、とても研修が進めやすかったです。
驚くことに、開業して1年しか経っていないのです。

たった1年では人と組織は育ちません。
きっと採用に力を入れていると思い、お聞きしたらその通りでした。

思想や価値感、行動様式は一長一短に変わるものではありません。
30年間かけて身につけたものであれば、変わるのにも同じくらいの時間がかかると思った方が良い。

特に主体性、自律性です。
この国で育つと身に付きづらいのです。

「権力格差」という概念があります。
著書「多文化世界 違いを学び未来への道を探る」(G.ホフステード、G. J. ホフステード、M. ミンコフ 著)に登場する概念です。

権力が有る無しの格差のことではなく、「権力に対する受け入れ度合い」を指します。
権力格差が大きい国では、民は「お上がしっかりしてくれないと」と考えますし、お上の決定に従います。

対し、格差が小さい国(北欧に多いらしい)は、自分の意思で決め、行動し、行動に対する責任を持ちます。

著書によると、格差が大きな国では、お上が賢ければ問題ないのですが、おバカな場合、とんでもないことになると言います。
あるいは、直面する問題が大きくトップにも正解が分からない場合では、コントロール不能に陥り大混乱をきたす危険性があると言います。

格差を縮小する方向に向かわざるを得ない時代になったと思います。

では、日本はどうかと言うと、格差レベルは「中の上」だそうです。
お上に依存する割合は結構高いのです。

その象徴が「水戸黄門」です。
印籠を出し「この紋所が目に入らぬか〜」で場が収まるわけです。
アレ、見ていてスカッとしますよね?
日本はそういう文化なのです。
(それでも中の上なのだから、世界には大変な国がもっとあるのね)

この国で育った人の多くは、リーダーが印籠を出してくれるのを心待ちにしていますし、出すべきだと考えています。

そういう人が自律性の高い組織に入るとトラブルになりますし、教育でカバーすることは非常に難しいのです。

変わる可能性があるすれば、周りの仲間の行動が変わり自律的な文化が出来上がることです。
文化は、全体の20%〜30%が変わると、全体に波及します。

冒頭の企業のように、開業当初から採用に力を入れることが理想ですが、そうでない企業では、自律性の高い人を採用し、組織内の比率を高めていくことが欠かせません。

今の時代に、便利な印籠はないのですから。

というわけで今日も素敵な1日をお過ごしください。

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