「気づけば指示ゼロ経営になっている」という究極のマネジメント
指示ゼロ経営に目指すリーダーにとって、メンバーとの接し方は悩みどころです。
「指示しない」
「教えない」
「個々とは関わらない」
「してはいけない」に縛られると、何をして良いか分からなくなることがあります。
そういう時は、基本的な視点に立ち返ることが大切だと思います。
そもそも、「指示がない」「教えない」というのは、いい会社になった時に起きる「現象」です。
社員が仕事を心から愉しみ、自ら決め協働で働くようになると自然となくなる(少なくなる)のです。
自分たちで課題を見つけ行動するようになると、指示命令を出す必要はなくなります。
仲間同士で教え合い、学び合うのでリーダーの出る幕は少なくなります。
指示命令があるなしに拘るのではなく、いい会社をつくることに意識を向けることが大切です。
では「いい会社」ってどんな会社でしょうか?
これを社員さんと一緒に考えることが指示ゼロ経営への道の第一歩です。
いい会社とは?という問いに対し、社員さんは次のような意見を出します。
「給料が良い」「顧客に喜ばれる」「利益が出る」「自由がある」「働き甲斐がある」「人間関係が良い」「チームワークが良い」「休日が多い」「労働時間が短い」「福利厚生が充実している」
ざっとこのような要件が出ます。まっとうな意見ばかりです。
このワークをすると、社員さんは自分の願望を言いたい放題ですし、挙げた要件、1つ1つを実現したくなります。
その姿を見ると、リーダーは怖くなったりムカムカ・イライラしてしまいます。
そこで、いい会社の要件を「これが実現すれば、これが実現する」というように因果で並べることが大切です。
大まかな因果は次のとおりです。
因果図の上の方(賃金や福利厚生)を改善しても、下の方は良くなりません。
賃金や福利厚生、労働環境などは「衛生要因」といって、ある水準を下回ると不満が生まれたり生産性が落ちたりしますが、ある水準を超えると「あって当たり前」と思われるもので、ヤル気や生産性向上には貢献しません。
一方、因果図の下の方は、「動機づけ要因」と言って、内から湧き上がるヤル気を生み、豊かな創造性を発揮します。
因果図ができると、多くの方が気づきます。
「下の方がおざなりになっている」
ワークを行うと自分たちの課題に気づきます。
土台部分は、日々、自分たちが働く基本的な環境なので、社員さんは関心を持ってくれるはずです。
社員さんと一緒に作り上げましょう。
つくり上げる過程で、自分たちで決め、協働する喜びを得られれば、気づけば指示ゼロ経営になっているはずです。
そこには、協働の愉しさや、自分の居場所がある喜び、仲間への感謝・尊敬など、人生にとって何よりも価値のある要素があります。
その時にリーダーは、ひとこと「これが”いい会社”だよ」と伝えてください。
いい会社をつくるために、因果図を正しく作ることが欠かせません。
是非、今日のブログを社員さんと共有してください。
それでは今日も素敵な1日をお過ごしください。