組織づくりでは「ガンを発見し治す」という発想をやめる

私たちは、社内で何か問題が起きた時に「問題の原因となっている人」を発見する思考に陥りがちです。

「会議が盛り上がらないのは、発言しない◯◯さんが原因だ」
「独りよがりで喋りまくっている◯◯さんが原因だ」

人と組織を育てるリーダーは、常に「全体を観る」視点で組織を観察します。
人は自分の言動を、周囲とのバランスで決めるからです。
普段、よく喋る人も、自分より喋る人がいると静かになります。
よく喋る人は、自分が喋らないと周りが喋らないからかもしれません。

チーム内に、やたらとイケイケでポジティブな人がいると、周囲の人は引いてしまうことがあります。
でも、当人に聞くと、「だって、みんなが大人しいから私が…」と言うことが多いのです。

凡ミスをする「うっかり八兵衛」は、重箱の隅をつつく人がいる場で発生します。
でも、重箱の隅をつつく人に言わせれば、「私がしっかりしなきゃ」と責任感を持っていることが多いのです。

リーダーには、起きている現象=症状を単発的に観ずに、全体視点で観る視点が求められます。

東洋医学のような観方だと思います。
西洋医学では原因の箇所を見つけ手を打ちますが、東洋医学では全体の最適化を目指します。

その時、その場、その状況下、集団バランスで、メンバーは自然な言動をします。
その様子は、森の生態系のようです。


チームが上手く行っていない時とは、全体のバランスが崩れている時です。
人体で言えば、自律神経が不調を起こしているような時。

組織が不調に陥った場合、まずはチームをリラックスさせる必要があります。
方法はシンプルで、「みんなちょっと緊張しているよね」と、みんなが感じている気分を言葉にすることです。
この役割はリーダーがやっても良いし、こういう事が得意なメンバーがやっても良いでしょう。

不調を起こす時は、エネルギーが一部の人に偏ります。
やたらと興奮して喋ったり、独りよがりになったりと。
一方で静かになる人が出ます。

そこで、「交通整理」という役割が必要です。
「喋っていない人の意見も聞いてみましょうよ」と発言を整理する役割です。

衝突が起きそうになったり、実際に起きた時に、「まあまあ、落ち着こう」と衝突を緩和する役割も大切です。

このような役割を、リーダー以外の誰かがやるようになったら自律型組織というわけです。

チームの不調を整えるのは、他ならぬ自分たちです。
リーダー1人で調整するのは、非常に難しいのです。

今日の記事は、ぜひ社員さんと共有してください。
そして、「みんなで良いチームを作る」という認識をつくってください。

というわけで、今日も素敵な1日をお過ごしください!

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