自律型組織は目指すものではない。目的でも手段でもない。じゃあ何?という話

僕のブログをお読みいただいている動機が「自律型組織をつくる」ということだとしたら、一旦、「自律型組織」という言葉を脇に置いて欲しいと思います。

自律型組織は、目指すものではなく、ある条件下で人が活動した結果、「なる」ものだからです。
言葉を変えれば、「目的」ではなく「現象」なのです。
「手段」でもありません。

今日は、その辺について、分かりやすい事例で解説したいと思います。

事例とは、度々紹介する「夢新聞」です。
夢新聞とは、自分が将来大活躍し、新聞に載ったと仮定して、その新聞を手作りするワークショップです。未来の日付を入れ、文章はすべて完了形で書きます。

発足は2010年、とある飲み会でした。
僕の親友、7人で熱く語り合っていたいたところ、仲間の1人が、何の脈絡もなく「夢新聞ってあったら面白くない?」と言い出したのです。
特段、ビジョンも具体的なアイデアもありません。

夢新聞という言葉を聞き、インスピレーションが発動したのは僕です。
1秒以内に、コンセプトとコンテンツが降りてきたのです。
概要を仲間に伝えましたが、みんな「?」という顔をしていました。
しかも飲み会の場です。
きっと翌日には何事もなかったかのように日常に戻るでしょう。
僕は、どうしてもヒラメキを形にしたかったので、最初のミーティングの日程を決めました。

そのミーティングで、僕が夢新聞のプランを説明したら、2人ほどのメンバーが「おお〜!良いじゃん!!」と異常に盛り上がり、新たなアイデアが加わって、イメージが鮮明になっていきました。

何となく活動が始まりました。
活動と言っても、飲みながら夢を語るだけです。

僕は「絵に描いた餅」を描くのは得意ですが、具現化が苦手なのです。
僕がもたもたしているのを見た、実務能力がある仲間が、絵に描いた餅を「食える餅」に変えてくれました。
こうして実際に、夢新聞ワークショップが開催されたのです。

たまたま僕らの活動を知った人が、「一般社団法人にした方が良い」とアドバイスをくれ、その人にもメンバーになってもらい本格的に組織化されました。

僕は、ある時に、僕らのチームは完璧なる自律型組織だという事に気づきました。
まさに、気付いたら自律型組織に「なっていた」という感じです。

僕が何となくリーダーっぽい役割でしたが、上限関係も指示・命令も管理もありません。
みんな、夢新聞の意義に共感し、誇りに思っていて、活動そのものを心から愉しんでいました。
それ以上でも、それ以下でもないのです。

誰も自律型組織を目指してはいませんでした。自律型組織は目的でも目標でもありません。
何かを達成するための手段でもありません。

自律型組織とはそういうものだと思います。

何から始めたら良いか分からない時は、飲み会をするか、目の前の仕事が愉しくなるまで一生懸命に打ち込むことをお勧めします。

というわけで今日も素敵な1日をお過ごしください。

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