人を動かすリーダーは、感性と理性を上手に使い分けて物事を伝えている

「社員に主体性が足りない」「組織に一体感がない」「気持ちが1つにならない」
そんな課題を抱えていたら、社員さんとのコミュニケーションを根本的に見直す必要があるかもしれません。

社長としての言葉ではなく、「1人の人間としての言葉」で語ることです。
社長としての言葉は、「必要性」を説きます。
対し、1人の人間としての言葉は、「願い」を伝えます。

僕は、社長が、1人の人間として語れるようになる瞬間を、「社長が一皮むける」瞬間と呼んでいます。

人の心に、内発的なヤル気が生まれ、物事を自分事と捉える時は、必ず、情動が関わっています。どんなに正しい理屈を聞いても、情動が動かない限り、人はその気にならないのです。

僕がこのことに腹落ちしたのは、「愛は脳を活性化する」(松本 元 著)という本に出会った時です。当時、社員に思いが伝わらなく、組織に一体感ないことに悩んでいた時に、師匠に勧められた本です。
1996年に出版された本なので、脳科学的には古い部分もありますが、普遍的な知見が多く、今でも十分に通用します。
脳科学の本なのに感動するという、不思議な書籍なのです。

本書に、脳活動は「情動が第一義、論理は第二義」という内容が書かれています。
身近な例として、次のような場面で説明されています。

暗闇を歩いていたら、足元で黒い物体が「ガザっ」と音を立て動いたら、反射的に逃げます。よく見たら、ビニール袋で、「なんだ〜。ビックリしたなぁ」と胸を撫で下ろします。

これを脳科学的に解説すると、刺激に対し、最初に反応するのは恐怖(情動)で、その後、理性で正体を理解します。
理性で安全を確認すると、心が落ち着きます。

情動→理性→情動という順番で活動しているのです。

社長が伝える言葉に情動が乗った時に、聞いた相手の情動が共鳴します。その言葉とは、「1人の人間としての願い」です。
「◯◯したい」という言葉で語られることが多いと思います。

その後、理性的に必要性や方法などを伝えると、情動がその気になります。

思いを伝えるのが苦手な人は、理性が優勢になっていると感じています。これは無理もなく、大人になること=理性的と教育されてきたからです。
理性で物事を考えてばかりいると、自分の願いに蓋をしてしまいます。内にある「◯◯したい」に耳を傾けずに、「どうすべきか?」とばかり考えてしまいます。

もっと、わがままになっても良いんじゃないかな?と僕は思うのです。
理性やロジカルシンキングに偏ったビジネスシーンに、もっと情動や感性を取り戻したい…人間性重視の経営が増えれば良いな、と思っています。

というわけで、今日も心豊かに過ごしましょう。
それでは今日も素敵な1日を!

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