サムライジャパンから学ぶ「抽象度の高い視点で世界を観る」という大事
昨年、花巻に出張した時に、現地の方が大谷翔平選手の母校を案内してくれました。その方は、花巻東高校を、「非常に礼節を重んじる学校」と僕に教えてくれました。
例えば、横断歩道で止まってくれた車の運転手に対し、一礼をするそうです。
WBCでインタビューを受ける大谷選手の様子から、そのように育った片鱗を感じました。特に、僕が感銘を受けたのは、「抽象度の高い視点で世界を観ている」ということです。
抽象度は、自分が一番低く、家族、地域、国家、世界といった順に高くなっていきます。
これは、人間的な成熟度を測るモノサシだと僕は思っています。
抽象度が低い人は、自分を中心に物事を考えますが、高くなると、より多くの人の幸せを考えます。
近江商人の「三方よし」は抽象度が高い視点だと言えます。
サムライジャパンが優勝した後に、様々なテレビ番組が特集を組みました。
この手の特集は、実際以上に美談化するものですが、選手本人の言葉だけは真実を物語っていると思います。
どの選手も、「みんなの力で勝ち取った勝利」と言っていました。
これは、インタビュー用の言葉ではなく、真意なのだと思います。逆に言うと、そういう意識を持った選手が集まったから、「みんなの力」が生まれたのだと思います。
大谷選手の言葉で印象的だったのは、高校時代の敗北の言です。
涙ながらに「応援してくれた岩手県のみなさんに申し訳ない」と語っていました。
高校生にして岩手県を背負っていたんですね。
WBCのインタビューでも印象に残る言葉がありました。
インタビュアーが、「日本野球の存在感を示しましたね」と聞くと、大谷選手は、「日本だけでなく、アジア全体にいい影響が出ると良い」と答えていました。
だから、多くの人に応援されるのだと思ったのです。
商いも同じだと思います。
商いの抽象度が高くなると、「応援してくれる味方が増える」という現象が起こります。
顧客が味方になると、お友だちを紹介してくれます。
地域が味方になると、行政などが応援してくれるようになります。
「我が国の誇り」と言われる企業もあります。
「人類の誇り」なんて言われるすごい企業もある。
こうした企業は、抽象度が高い=幸せになる人の範囲が大きいのです。
普段は野球を見ない僕が、ミーハー精神でWBCに釘付けになって良かったと思いました。
やっぱ、世界を観ると素晴らしい人がいますね!
僕も、今よりも大きな範囲で物事を捉えるようにしよう!
というわけで今日も素敵な1日をお過ごしください。