小さな変化を大きな成果につなげる方法
僕の周りには喜び上手なリーダーが何人もいます。
岩手県一関市にある「株式会社京屋染物店」の蜂谷悠介社長も、茨城県神栖市の「有限会社谷川クリーニング」の谷川祐一社長も、みんな喜び上手です。
社員さんの頑張っている姿や、成果を出して喜んでいる姿を、本当に嬉しそうに語るのです。
僕は、彼らが喜んでいる、その場にいるだけで、すごく心地よくなるのです。
一方、「社員が頑張るのなんて当たり前」という態度の人の近くにいると、身は引き締まるが湧き上がる喜びは生まれません。
「戸が笑う」という言葉があります。会社やお店で、働く人が元気でご機嫌でいることで、入り口から光が放たれる様子を表した言葉です。人を惹きつける明るいオーラです。
彼らが喜ぶことで、戸が笑い、場が活性化するのです。
実は、場の活性化にはあるメカニズムがあります。
僕は、そのメカニズムを体験したことがあります。
20年以上前のことですが、当社では手作り新聞の発行を始めました。(ニューズレターという)
ニューズレターには、お客様の声を書いていただく欄を設け、FAXで送っていただくようにしました。
最初は、社員さんから、「わざわざ通信費をかけて送る人なんていない。せいぜいクレームが来るくらいだ」と言われましたが、僕は、絶対に来ると思っていました。
その理由は、多くのお客様から、「お宅の◯◯さん、すごく親切ですよ。米澤社長からも褒めてあげてください」と言われてきたからです。
人は、受け取ったものを返す「返報性」という社会法則に則って生きています。
良いことを与えると、同じくらいの良いことを返してくれるのです。(悪いことも悪いことで返す)
初めてFAXが届いた時、たまたま僕はFAXの近くにいました。ピロロ〜と鳴り、しばらくするとガーーとプリントアウトされました。
FAXを手にした瞬間に、その場にいた社員さんに、「おい!!来たよーー!やっぱり来たよ。凄いよ!」と叫びました。
組織は成功体験を得ると急成長します。
組織の構成員の60%を占める多数派は、実績があると動くからです。
成果と言えるほどのものでなくても、「小さな変化」で良いのです。
小さな変化は、放っておくと、変化として認知されません。
僕が喜んだことで、多くの社員が成功体験だと認知したのです。
僕が騒いだことで、60%の多数派に、この出来事が届いたのです。
多数派は、「本当にFAXが来た。じゃあ私もお客様に喜ばれることをやってみよう」と思い、行動してくれます。
その結果、数年後には信じられない数の声が集まるようになりました。
リーダーが喜んでいる姿には、このように、組織の変化を促す効果があるのです。
これが、喜び上手なリーダーが組織を変革させるワケなのです。
小さな変化を大きく育てましょう!
それでは今日も素敵な1日をお過ごしください!