採用活動には「採用しない」という勇気が必要である

先日、ネットメディア、「PHPオンライン衆知」に、「新卒がすぐに辞めてしまう」という記事が載っていました。
記事中で、専門家が、「企業が、人材の質よりも、とにかく人数を優先していることが原因」と指摘していました。

ある企業では、今年、200人の採用を予定しているそうですが、人数の根拠は、入社してから辞めてしまう社員の数を勘案して決めているそうです。
「今年は200人くらい採用する必要があるだろう」という風に。

辞める人を減らすという発想がないので、ザルで水をすくうように、採用活動が自転車操業になると言うのです。

これは大企業だけの問題ではありません。
中小企業の方が深刻だと僕は考えています。
中小企業の場合、毎年、定期的に採用をしている企業は少なく、退職者が出た時、採用活動をしているところが多いと思います。
とにかく採用せねば」と焦りが先行し見る目が曇ります。

アバタもエクボに見え、少々問題があっても、「入社後に教育すればいいや」と問題を先送りしてしまいます。
しかし。先送りした問題は解決しない可能性が高いです。
資質の問題は教育ではカバーできないからです。

まさに、「貧すれば鈍する」です。

僕は、「採用しない勇気」が必要だと考えています。
当社では、最終面接までやったのに、誰も採用しなかったという事が何度もありました。
この決断は非常に勇気が要ります。

採用には時間も費用も労力もかかります。
求人広告には費用がかかります。
会社説明会、採用試験、面接を数回やるとなれば時間も労力もかかります。
かけた分、「誰かを採用したい」という思いが強くなるのだから、採用しないという決断には、相当な勇気が要ります。

ここまで厳しくやるのは、前述の通り、採用ミスは教育ではカバーできないからです。
自発性がない人に、「出せ」と言っても、無いものは出ません。
最初から持っている人を採用することが大切なのです。

□自社の価値観に共感しているか?
□コミュニケーション能力があるか?
□自分で考える思考力はあるか?
□成果を出すことへの意識がちゃんとしているか?

クールな目で見て、もし持っていなければ、採用しないという決断をすべきだと思います。
それがお互いのためです。

採用とは、企業の未来を決める大事です。
万全の体制で臨みましょう。

それではまた明日!

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