これからの時代、働く人はすべて「芸人」になる
確か、2000年頃だったと思いますが、「人と業務を分離する」という考え方が流行りました。
人に依存しないで、システムで勝負するという考え方です。
人に依存すると、その人が辞めた時にサービスレベルが落ちるというのが大きな理由だったと記憶しています。
当時の僕は、その考え方が嫌いでした。
働く人の個性が出ないと、つまらない会社になるからです。
つまらないと思うのは、僕だけではなく顧客も同じです。
基本的なサービス水準を満たすことは大切ですが、水準を超えたら、個性(ムラ)があった方が魅力的だと思うのです。
僕は、これからの時代、働く人は、すべて「芸人」になると考えています。
その人にファンがつくという意味です。
僕が経営していた新聞店の女性事務員さんには、ものすごい数のファンがいました。
「芸能人ですか?」というようなエピソードがあるのです。
彼女は、当社が毎月発行している、ニューズレター(手づくり新聞)に自分のコーナーを持っています。
当社が20年以上に渡り発行しているニューズレター
書くようになったキッカケは、僕1人ではスペースを埋めることができないという理由からです 笑
無茶振りされた事務員さんは、僕に「何を書けばいいですか?と聞きました。
僕は、「何でもいいよ!」と答えました。
テキトーですね 笑
でも、それが功を奏しました。
彼女は、自分のプライベートなことを書きました。
特に、当時小学生だった、バレーボールを頑張っている息子さんのことをたくさん書きました。
読者は、息子さんが成長する様子を、まるで自分事のように見てくれました。
息子さんが中学3年生の時、事務員さんがニューズレターに、「いよいよ、県大会出場がかかった試合が来週に控えている」という記事を書きました。
驚くことが起きました。
なんと、それを読んだ読者の方、3人が応援に来てくれたのです。
事務員さんには会ったことはない方たちです。
自分で試合会場と時間を調べて来てくれたのです。
この出来事には、当社の文化を変えるインパクトがありました。
仲間の姿を見た他の社員さんの意識が変わり、どんどんと社員が芸人化していきました。
当社の社員に会ったことがある方なら分かると思いますが、ものすごくキャラが立っています。
それぞれが自分の個性を活かし仕事を開発します。
自分が開発した仕事で、お客様に喜ばれると仕事が愉しくなります。
愉しんでいる様子を見て、さらにファンが増えます。
これからの時代、働く人はすべて芸人になる。
そのためには、個性を発揮できる組織風土をつくることが欠かせません。
画一的な管理は没個性を生み、組織の活力を奪います。
そんな会社が増えたら世の中、もっと面白くなると思うのです。
社員、芸人化作戦、始めてみてはいかがでしょうか。
ではでは今日も素敵な1日をお過ごしください。