働く人がロボットのような表情で仕事をしている企業に明日はない

決められた仕事を、言われた通りにやるだけなら、嫌々やってもどうにかなりますが、「いい仕事」は、その気になっていないとできません。

この30年で起きた変化は、後者の仕事が増えたことだと思います。

大量生産・大量消費の時代は、とにかく効率よくモノやサービスを市場に届けることが命題でした。
この時代に、一番優秀なのはロボットでした。本音を言えば、全てロボット化したいところですが、技術がそこまで発達していないので、しょうがないから人間の手でやっているという分野もありました。
この時代の経営者の仕事は「考えること」で、労働者の仕事は「経営者が考えたことを遂行すること」でした。
経営者の手足と言うと表現が乱暴ですが、事実上、そういう関係だったと思います。

ちなみに、ロボットの語源は「ロボタ」というチェコ語だそうです。
意味は「強制労働」です。
SF作家が電車に詰め込まれ工場に向かう労働者を見た時に、彼らの表情が機械人間のようだったということで付けたと言われています。
僕は高校生の時に漬物屋でアルバイトをしていました。
社員はベルトコンベアに配置され、ひたすら機械に使われます。
僕の仕事はベルトコンベアで流れてくる漬物に、ひたすら調味液を入れる作業でした。

終礼では経営陣に訳のわからない説教をされました。
「今日の自分を振り返り、明日、さらに向上するためには何が必要か考えて欲しい」…なんて言うのです。
僕は、「機械に使われているんだから、一体、どう向上しろって言うんだよ?」と思いました。

ある日、牛乳ビンの底のようなメガネをかけた主任のオジサンが、作業中に突然、「うあーーー」と叫び声をあげたことを覚えています。
人間性を奪われたストレスが爆発したのだと思います。

時代は変わりました。
生活者はモノに満たされ、特段、欲しい物がないという人が増えました。
しかし、欲望がなくなったわけではありません。
創造的なものを見て、「こういうのが欲しかった」と気づくのです。
自分でも何が欲しいのか分からないのです。

ビジネス史上、最高に創造的が求められるようになったのだと実感します。

しかし、経産省の「未来人材ビジョン」を読むと、日本企業は、いまだに人への投資(教育など)よりも、整備投資に関心が高いことが分かります。
また、エンゲージメントは、世界全体でみて最低水準にあるという調査結果が出ています。
エンゲージメントとは仕事に対してのポジティブで充実した心理状態、働き甲斐のことを言います。
日本を世界と比較すると、アメリカの7分の1、中国の3分の1、韓国の2分の1程度です。

ヤバくないですか?
これでは付加価値をつくれず賃金が上がらないわけだと思うのです。

企業は、「創造性」をキーワードに、人間尊重の経営にシフトチェンジせざるを得なくなります。
そう考えると、人間性を大切にする企業の方が繁栄するのだから、良い時代なのだと思います。

今は過渡期なので、変化への不安が先行していますが、より良い世界の実現に向けての試練なのだと思います。

というわけで今日のブログでした!

【指示ゼロ経営に関する質問、相談は 無料相談窓口「空」で】

米澤の事を知っている人も、そうでない人も気軽に申し込んでね。
・指示ゼロ経営についての疑問、質問
・自社の組織の診断
・指示ゼロ経営の導入法についての相談
・各種研修の相談について

↓詳しくはこちらからどうぞ。