「多様性」を鵜呑みにして、会社を制御不能に陥らせないために
「多様性」は時代のキーワードですが、僕は企業経営においての多様性には注意が必要だと考えています。
よく「色んな価値観、考え方があっていい」と言いますが、根っこの部分…価値観がズレている人とは協働はできないと考えるからです。
例えば、働き甲斐を求める人と、手っ取り早くお金になりさえすればいいと考える人は、協働は難しいです。
チームワークを重視する会社に、「自分だけは」という考え方の人が一定の割合を超えると、組織活動ができなくなります。
多様性は制度に関しても言えます。
文化に合わない制度を入れると大変です。
2000年代初頭に、和を重んじる日本の企業が、こぞってアメリカ型の成果主義を入れたら、組織が機能しなくなりました。
考え方は様々あっても良いと思いますが、価値観がズレると大変です。
価値観をズラさないためには、採用活動が大切です。
しかし、これを見極めることが難しいのです。
価値観は目に見えないからです。
僕は、ドラゴンボールの、相手の戦闘能力を測定する「スカウター」みたいなものがあれば良いと、何度も思いました。
でも、試行錯誤を繰り返すうちに、スカウターに似たものを手にしました。
それは「行動レパートリー」です。
価値観が具現化したものは「行動」です。
行動から逆算して、価値観を調べたり、育てることができます。
この方法は、人材育成のOJTで、幅広く活用されています。
朝礼などで、自社の理念に基づいた行動を発表している企業があります。「昨日、こんな場面で、こんな行動をしました」という風に。
これは長く続けると、自分たち「らしさ」が醸成されます。
自分たちが積み重ねた行動レパートリーは採用にも活用できます。
採用試験で、「もし、◯◯な時に、あなたならどんな行動を取るか?」と問うことで、自社の価値観に合うかが分かります。
多様性は、理想を言えばキリがありませんが、非常に扱いが難しいと思います。
現実論として、多様性は、0か100(あるかないか?)という極端な捉え方ではなく、「この部分は譲れない」という中間的な運用があっても良いと、僕は考えています。
もしかしたら、そのうちに、「価値観が違う人とも、協働できる会社」という価値観の企業が現れるかもしれませんがね。
というわけで、今日のブログでした。
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