後継社長が、一番最初に直面する、「社員が他人事」という問題をどう乗り越えるか?

僕が新聞店の社長に就任したての頃に、社員さんから言われて嫌だった言葉があります。

「会社は…」

「会社はどう思っているんですか?」「会社としては、どうしていくつもりなんですか?」

現場に関係のある課題で、自分たちで考えなきゃいけない問題なのに、まるで他人事のような言い草に腹を立てたことがあります。
「会社って誰よ?」と。
例えば、当時、地域からの評判が悪く、なんとかしなければ新聞の販売権を剥奪される危機を抱えていました。
対策会議をしても、「会社として、どんな策を講じるつもりですか?」と来る。

「それを考えるために会議をしているんだと!?」と腹を立てたものです。

このことを、業界の先輩に相談したら、「サラリーマンなんて、そんなもんだよ」と言いました。
僕も、「そんなものなのか…」と諦めそうになりましたが、そうではない会社もあって、どうしても諦めることができず、ずいぶんとあがきました。

そして、自明のことが分かりました。
原因は、社員さんに、「上が決めたことに従う」という習慣が染み付いてしまっていたことでした。
住んでいる世界が違うのです。
上の者が決める→下の者は、それに従い実行する。この構図の中で、ずっと働いてきたから、他の世界があることを知らないのです。
「会社は…」と言うのは、「社長は…」と個人を名指しするのよりも、まろやかだからだと思います。

指示ゼロ経営では「参画」を最も重視します。
人は、物事に参画した分だけ、自分事にします。オーナーシップを持つんですよね。
例えば、件の、「地域からの評判が悪い」という課題への対策に参画してもらいます。
ゼロからアイデアを出すことが難しければ、リーダーが素案を作り、それをもとに考えていきます。

トップダウンの経営に慣れた人の中には、「そんな時間がかかることをやっていたら、手遅れになる」と言う人がいますが、そんなに時間はかかりません。
エネルギーは使いますがね。
それよりも、自分事になっていない状態で実行した時の、時間的、労力的なロスの方が大きいと考えています。

当社では、数年経った頃、明らかな変化が出始めました。
これまで「会社は…」と言っていた社員さんが、「我々は」という言葉を使うようになりました。

僕は、それを、「我々化現象」と名付けました。

組織が成長してから分かったことは、社長に就任した当時、「会社は」と言われて嫌だった理由は、そう言われると孤独になるからです。
怖かったのです。

今にして思えば、その気持を正直に伝えれば良かったと思っています。

今日の記事の問題は、2代目、3代目の後継社長が直面することが多いと思います。
後継社長が一番最初にやる仕事は、「世界を変える」ということなのかもしれません。

それでは、今日も素敵な1日をお過ごしください!

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