ガラス張り経営と言うけれど、何でも情報開示すれば良いってもんじゃない
そもそもなぜ情報開示が必要なのか?
少し前に、ガラス張り経営が盛んに叫ばれ、ブームになりました。
ご多分に漏れず、僕が経営した会社もやりました。
で、やってみて分かったことがあります。
それは、やっぱり情報開示は必要だということ。
そして同時に、開示すれば良いというわけではなく、「なぜ開示するか?」…意図が大切だということです。
ガラス張りにすれば会社が良くなるなんて単純なものじゃないのです。
よくある勘違いに、経営に対する不信感を払拭するために、情報開示が必要という考え方があります。
これは、情報開示の有無の前に、信頼関係の再構築が必要です。
事実、信頼関係がある会社では、大して開示されていなくても何の弊害もありません。
そもそも、情報開示が必要なのは、社員さんの主体性を重んじる経営(自律型)においてです。
社長の独断で決める、トップダウン経営なら開示する必要はないと考えます。
自律型組織では、人は指示命令では動きません。
では何で動くかと言えば「情報」です。
情報をもとに自ら意思決定して動きます。
1、客観的な情報が開示されている
2、それを基に意思決定、計画する
3、行動する
4、行動したことの結果が情報化されていて、それを見て次にどうするか?を決める
この1〜4を、自分たちの意思で繰り返すのが自律型組織のあり方です。
なので、目的は、「自分たちで決め行動し成果をつくること」で、その判断の材料(手段)として情報開示がなされているという関係です。
この構図がなければ、開示しても会社は良くならないと思います。
どんな情報を情報開示すればよいのか?
情報交換とともに、読み解くリテラシーが必要になります。
これがないと、大変なことになります。
例えば、売上高を見て意思決定すると、値下げしてでも売上を伸ばそうとして、売上高は伸びたのに利益は減ったという不条理に陥りることがあります。
このケースはすごく多い。
他にも、ある企業では、経費の内訳を開示したら、社員さんが経費ばかり気にするようになりました。
経費を減らせば、その分、ダイレクトに経常利益は増えますから、どうしても固定費に意識が行ってしまいます。
しかし、会計に詳しい方ならご存知ですが、固定費は、企業の利益に対するインパクトは小さいのです。
価格や原価(仕入れ)の方がインパクトは大きい。
繁栄する項目を見る、となると、売上総利益に集中することが大切です。
その理由は、経営にとって重要な数字であるっとともに、社員さんの賃金が決まる項目だからです。
会社にとって重要で、かつ社員さんが責任を負う項目というわけです。
完全ガラス張りにするなら、社員さんには、相当な会計リテラシーが必要ですが、その教育を全員にするとなると、多大なコストと労力が必要になります。 「必要ない」と社員さんから言われることも、多々あります。
それができないのなら、売上総利益までの公開に留めるのが現実的だと思います。
僕の経験上、一番、上手くいくのは、信頼関係ができていて、みんなに意識が売上総利益に向いている状態だと考えます。
それでは、今日も素敵な1日をお過ごしください!
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