性善説と性悪説、どちらかが真理なのではなく、自分が生きる世界がどちらか?という話
ある社長は、自社の社員さんに対し、「いてくれるだけで有り難い」と言いました。
そんな風に思う社長のもとで、社員さんは、「居る」にとどまらず、会社にとって必要な、「要る」存在に成長し、とてもイキイキと働いていました。
「居る」に感謝できる社長のもとで、「要る」社員さんが育つのだと思ったのです。
アメリカの経営学者、ダグラス・マクレガーが提唱した「Y理論」の体現だと、僕は思ったのです。
Y理論とは、「人は、働きがいを求めるもので、自分が設定した目標に対し、積極的に行動する」という、性善説に基づいた考え方です。
僕は、優秀な社員さんは、「ウチの社員は優秀」と思っているリーダーのもとで育つと感じています。
自律性や成長意欲などがあることを大前提として、人間を見ています。
一方で、X理論は、「人間は、本来仕事が嫌いであり、仕事をさせるには、命令・強制が必要である」という考え方です。性悪説的ですね。
こういうリーダーの組織はアメとムチ、管理、監視が増える傾向があります。
X理論では、人は「イル」になります。
英語の「ill」は、音楽が好きな人にはお馴染みの、「不健全」「病的」「邪悪」を表す言葉です。
「居る」「要る」「ill」
ちょっとした言葉遊びですが、性善説と性悪説、どちらが真理か?というものではなく、自分が、どちらの世界で生きるか?の問題だと思います。
言葉遊びで言えば、「人在」「人材「人財」「人罪」も有名です。
「人在」…いるだけの人
「人材…ビジネスの材料として、使われる人
「人財」…価値を生み出す人
「人罪」…illな人
この言葉遊びは、社員さんへの戒めとして使われますが、僕は、むしろ、リーダーへの戒めだと考えています。
人は、X理論を持つリーダーのもとで働くと、Xの属性…「人在」や「人罪」になる。逆に、Y理論を持つリーダーのもとでは、Yの属性…「人財」に向かっていく傾向があると考えています。
本人の資質の問題もありますが、それよりも環境によるところが大きいと。
そして、時代はY理論を求めていると考えます。
以前の、大量生産・大量消費の時代では、モノを効率よく作り、市場に流すことが重要視されましたから、一極集中のシステムに乗る、X理論の「人材」が最適だったと思います。
今は、「おもてなし」に代表される、より創造的な仕事が求められるようになりました。
これは、Y属性の自律的な人にしかできません。
X理論では、マニュアルに従わせるのが限界だと思います。
リーダーには、人の自律性や成長意欲を信頼する感性、成熟した人間力が求められると思います。
さらにもう1つ、リーダーには、「自分は不完全で、1人で会社を良くすることはできない」という、良い意味での自分を諦める成熟性…ポンコツを認める勇気が必要だと思います。
それを、僕は、「P理論」と呼んでいます。
P属性のリーダーのもとで社員さんのY属性は発動しやすい、そんな風に思うのです。
ではでは、今日も自然体で素敵な1日をお過ごしください。
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