リーダーは大して困っていない事に悩むクセがある

「問題発生は成長のチャンス」…僕の人生を変えた言葉です。
30歳の時に出会った言葉ですが、それまでは問題が発生すると会社が悪い方向に向かっているとうろたえましたが、この言葉を知ってから「成長のチャンスだ」と捉えられるようになりました。

1つ解決すれば1つ良くなる…そう思って前向きに頑張ってきました。

しかし…

そこに罠が潜んでいた、今日の記事はそんな話です。

その罠とは、僕が問題だと思うことを解決してもまったく良くならないというものでした。
しかもそれが頻発するんだよね。

原因はそれは「問題の捉え方」でした。
今にして思えばまったく問題ではないことに悩み手を打とうとしていたのです。
それに気付いたのは、つい数年前、たくらみ屋の相棒、森本繁生に出会ってからです。

森本さんは研修先の企業さんと打ち合わせをする際に、まずは先方の問題・課題を確認します。

「何に困ってますか?」と。

先方が困りごとを1つ1つ言うのですが、それら全てに「本当に困っていますか?」と聞き直します。
最初のうちは何を意図して聞いているか僕には分かりませんでした。

本当に困っているか?の問いに、ほとんどの方は「はい、困っています」と答えますよね。
すると今度は「何に困ってますか?」と聞く。

この禅問答のようなやり取りを繰り返すと、先方が悩み始めます。
「一体、私は何に困っているのだろか?」と。
実は、困っているように思えて実は、具体的な不具合、損失がない場合が意外と多いのです。

気を病んでいるだけということ。

こういうケースは意外と多いのです。
例えば、僕のところによく寄せられる相談の中に、「会議でどうしても発言しない人がいる」というものがあります。
そこで森本流の質問を投げかけます。
すると、「う〜ん、何に困ってるんでしょうかね?」となることが多い。

他にも…

「チーム内に温度差がある」

これは無理な悩みです。
温度差は必ず生まれるものです。「日本に四季がある」と悩むようなものです。

他にも…

「困っている仲間を助けない人がいる」
「落ちているゴミを拾わない人がいる」

この手の相談は「◯◯な人がいる」と一部のメンバーにフォーカスして悩んでいるケースです。
「全員がそうなんですか?」と聞くと、ほとんどの人はそうじゃない。
こういう人が2割を超えると組織全体にその人たちの行動が波及するので注意が必要ですが、そうでなければ気にし過ぎない方がよいと考えます。

ちなみに 僕が陥った罠は、「新聞配達の配り間違いがゼロにならない」という悩みでした。
間違いを減らす努力は大切ですが、ゼロにしようとする、そのエネルギーを別のことに使った方がお客様にとっても社員さんにとっても、業績面から見ても良いと思うのです。

「もっと」という向上心は大切ですが、何を向上させれば会社は良くなるか?…選択と集中が必要だと思います。
リーダーの心の苦悩と会社の課題は同じとは限らないのです。

また、いつも悩んでばかりいるリーダーのもとでは気持ちよく働けません。
悩みがチームの雰囲気を重くして組織パフォーマンスを下げているかもしれません。

悩むなら正しく悩む。
本当に困っていますか?

それでは今日も素敵な1日をお過ごしください!

【指示ゼロ経営に初めて触れる方へ】

指示ゼロ経営って何? なぜ今の時代に必要なのか?どんな効果があるのか?
12分の動画にまとめました。
https://youtu.be/opWvcjqsjsA

また、僕が指示ゼロ経営を始める原体験と思いを綴った記事も参画にして下さい。
↓「指示ゼロ経営とは?」
https://www.shijizero.jp/archives/n5882