母語を修得するように物事を学べば、誰でも天才になれる
先日、留学生を対象にした夢新聞の時に、改めて日本語って難しいんだな〜って思いました。
それを親友と話していたら、親友が「じゃあ、オレたちって天才だね」と脳天気なことを言っていましたが、そこに真理があると思ったんです。
難解な日本語をマスターしたプロセスで物事を学べば、誰もが上達する、僕はそう考えています。
結論から言えば、人材育成は「既にできる人」が楽しんでいると、それを見た人に「学びたい」という自発的な意欲が生まれるのだと考えています。
母語を修得するようにビジネススキルを修得する
さて、「日本語の天才」の話ですが、これはバイオリン教室の「鈴木メソード」の創始者、故・鈴木慎一先生の逸話です。
鈴木先生は、ある日、とんでもないことに気付きました。
「我々は日本語の天才だ!」「外国人が大枚をはたいて習っても、我々には到底及ばない」
と。
「何言ってんだ?オッサン」って思われたことでしょう(笑)
でも、先生が考えたことは、母語を修得するように物事を学べば、誰でも天才になれる、ということ。
その着想が天才的なんだけどね。
それがバイオリン教室のカリキュラムに反映されています。
その要点は「コミュニケーション」です。
私たちは中学と高校で6年間英語を学びます。
大学も入れれば10年間も学ぶのに、全然喋れるようになりませんよね?
英語圏の10歳の子どもにも敵いません。
それは学習法に問題があるということです。
私たちは、文法を覚えてから日本語が喋れるようになったわけではありません。
コミュニケーションの中から自然に習得しました。
鈴木先生はそれをバイオリンに応用した。
具体的には、子どもが習う前に、母親が1曲弾けるようにトレーニングします。
しかも楽しく弾けるようになるまで。
それまでは子どもにはバイオリンには触れさせません。
母親が楽しそうに弾いていると、子どもは興味がわきます。
「自分もやってみたい」と。
その時点で初めてバイオリンに触れさせます。
言語もそうですよね?
母親は楽しそうに話しかけると、赤ちゃんなりに「会話をしたい」って思う。
自発的な「やりたい!」が生まれるのを待つのです。
う〜ん、すごい学習法です。
楽しんでいるのを見た社員は、自分もそうなりたいと思う
これをビジネスの現場で応用するのが指示ゼロ経営の人材育成です。
仕事を楽しんでいると、社員は自分もやってみたいと思う。
楽しんでいる者同士が楽しそうに仕事の話をしていると、そこに加わりたいと思う。
そこで初めて研修の効果が出ます。
文化ですね。
そして、それは社長が自ら仕事を楽しむことから始まります。
社長が楽しまずして社員の自発性は育たないということ。
楽しんでいない状態で自発性を社員に求めると、「自発的にならなければならない」という珍妙な自発性になってしまいます(笑)
そんなの自発性じゃないよね?
最近、指示ゼロ経営は精神論になったとよく言われますが、本当にそうですね(笑)
間違っても社員のヤル気を高める自己啓発セミナーには出さないことだと思います(笑)
3日で元に戻るのがオチだからね。
自発的なヤル気は環境の影響が大きい、そんな事を考えています。
あ、でも、これを読んでいる社員の立場の皆さん、ヤル気が起きないのを社長のせいにしないでね。
楽しむって、実は簡単なことじゃないから。
それでは今日も素敵な1日をお過ごしください!