研修の参加理由を「上司に言われたから」と言う人を見てきて思うこと

研修の受講者には3種類いると言われています。

1、学習者
2、レクリエーション
3、奴隷

・学習者は学ぶ意欲が高く、また学びを仕事に活かす意欲が高い人です。

・レクリエーションは、退屈な(あるいは厳しい)日常業務から離れてバカンスに来ているような感覚で受講する人です。

・奴隷は、受講目的を持たず、ただ上司から「行け」と言われて参加しているだけの人です。何を学ぶのか知らないで会場に来る人もいます。

さて、この中で最も多いのが「奴隷」だと思います。
僕は、この存在に気付いてから、実は世の中奴隷だらけであることを知りました。
企業は勿論、家庭でも学校でも。

成績が悪い子どもに塾を提案するのは大抵、親です。
親が塾を調べて連れて行くというケースも多い。自発的なモチベーションがない子が来るのだから塾も大変だと思います。
だから逆に「やる気スイッチ押します!」なんてキャッチコピーがウケるわけです。

僕も以前に「ウチの部下のやる気スイッチを押して下さい」なんで依頼されたことがありますが、人間は機械じゃないのだからそんなものは存在しません。
仮にあったとしても他人に刺激されたヤル気は、その人がいなくなると維持できません。

さて、そんなことを思いながら、僕は来年に出版する新刊の資料を集める中で面白いデータに出会いました。
経産省が今年の5月に出した「未来人材ビジョン」という統計資料です。
今、日本企業が抱える課題が分かりやすく解説されています。

その中に「日本の企業は人に投資せず、個人も学ばない」という項があります。
ズバリ言うよね 笑

なぜ個人が学ばないのかといえば、「学ぶ必要を感じていないから」だと思います。
学ぶ必要を感じないのは仕事がやらされになっているからです。
やらされになる原因は仕事の「たくらみ」に参画していないから、上司が決めたことをやらされる「上司の下僕(しもべ)」になっているからです。
人は物事に参画しないと自分事にしません。
だから問題意識が低く学ぶ必要性を感じないのだと考えるのです。

個人が学ばないのは環境によるところが大きいのだと思います。
大抵、そういう環境を作っているリーダーほど1人で学んでいますからね。

最後に僕の知人の話を紹介します。
知人が中学生の時に「将来の夢」という作文を書く授業がありました。何を書いていいか分からなかったので父親の職業を書きました。
「医者になりたい」
すると進路指導の先生から、「今の成績では医者は無理だ」と言われました。

そのことを父親に話すと知人にこう言ったそうです。

「医者という仕事に勉強は必要だ。しかし、それよりも大切なことは患者を思う“優しさ”だ。お前にはそれがある。逆に優しさがなく、ただ勉強ができるだけのやつは良い医者にはなれない。医者という仕事は大変だが本当に素晴らしいやり甲斐のある仕事だ。お前なら良い医者になれる。なりたいと思えば今からでも、いくらでも学べる。大丈夫だ」

知人はその日から熱心に勉強をして、その後、一浪はしましたが医学部に入学し、今では父親のあとを継いで開業医をやっています。

人はなぜ学ぶのでしょうか。

それでは今日も素敵な1日をお過ごしください!

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