エゴシステムからエコシステムの経営へ
持続可能、エコシステムは環境問題や経済だけではなく、企業の人と組織においても重要な考え方だと考えています。
「人と組織のエコシステム」と僕は呼んでいますが、今日の記事はこのテーマで考えたいと思います。
エコシステムに対し、いまだにエゴシステムも根強く残っています。
※老眼の方、老眼鏡のご用意を!「エコ」と「エゴ」の区別が必要なので。
エゴシステムで苦しんでいる人がいます。
例えば、僕の先輩は大手ハウスメーカー勤務ですが、数年前にこんな愚痴をこぼしていました。
「必死で売上目標を達成したら、翌期には新しい目標が自動的に降りてくる。無限地獄だ。定年までは何とかしのいで稼いで退職後の人生を楽しみたい」
まるで美味しいビールのためにサウナに我慢して入っているような人生だと思ったのです。
また、ある大手電気メーカーに勤める50歳の友人は、「もう活躍の場がない」と嘆いていました。
出世街道から外れ、用済み扱いを受けており根底からヤル気を失ってしまったのです。
「ヒエラルキーの構造的な問題だ」と言っていましたが、本当にその通りだと思ったのです。
出世は一部の人の道ですので、詰まりが生じ、多くの人は道から外れてしまいます。
以上の2つの事例は「エゴシステム」…大勢の犠牲(苦痛)の上に一部の人の富が成り立つという「一極集中」の構図です。
持続可能ではない。
これからはエコシステムの経営が求められると思うのです。
それは自ずと「小規模分散」になります。
まずは組織のあり方を根本から見直すことが欠かせません。
具体的には、そもそも詰まる構造であるヒエラルキー(ピラミッド型の階層構造)組織を変えることです。
例えば、指示ゼロ経営が進むと組織形態は非常に柔軟になります。
やることに応じて組織が自律的にできるようになります。
そもそも組織は何かを遂行するために結成されます。
やる事が変われば組織も変わります。
今は、変化が激しい時代なので、やることに応じて形を変える組織のあり方が求められますが、ヒエラルキーの場合、その都度、組織を根本から変えなきゃいけません。
どだい無理な話です。
やることに応じて柔軟に変われる組織が「エコシステム」を生みます。
例えば、僕が23年間経営してきた会社では、社員が勝手に肩書を決めます。
やる事に応じ、「地域づくりコーディネーター」などと名乗るのです。
もちろんルーティン業務を回す基本的な組織はありますが、新しいことを始める時は部署を超えてチームができるのです。
プロジェクトが変われば役割が変わり肩書も変わります。
下から上へ動くのではなくグルグルと動く、そんなイメージね。
こう言うと、「出世しないと賃金が上がらないじゃん」と言われますが、そんな事はありません。
ヒエラルキー組織では賃金を上げたければ組織の上に行かなければなりませんが、指示ゼロ経営では儲かったらみんなの賃金が上がる制度があるからです。
※興味ある方はこちらの記事を参考にしてください。
僕は人がいつまでも大切にされる素晴らしい仕組みだと思っています。
ただし、組織が古くならないために外部の知恵を入れたり、あえてタイプの違う人材を採用するなどの工夫が必要ですがね。
さて、今日の話はヒエラルキーの発想が残っていると、とても気持ちが悪い話だと思います。
でも、気持ち悪い分、新しい世界は斬新で素晴らしいという事だと思います。
概念だけでも知っていて損はしない話だと思いますよ!
それでは今日も素敵な1日をお過ごしください。
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