楽をするリーダーほど組織の風土を変えることができる
2代目3代目の社長の中には、自発性の高い組織への変革を望む人が多くいます。
先代のトップダウンの影響で社員さんが自分で考え行動できない、そんな風土を変えたいと願っています。
まず言いたいのは、先代の時代ではトップダウンは正しかったと思います。
時代が成長期で活動量が成果に比例した時代ではトップダウンで成果が出ることが多いのです。
時代が変わればマネジメントも変えなきゃいけませんが、それは先代本人ではなかなかできません。
だからバトンを受け継いだ後継者に託されるのです。
組織の風土が変わるのは時間がかかります。
5年、7年、僕の場合は手こずったので10年もかかってしまいました。
コツは「急がば回れ」で、急ぐとかえって組織づくりを遅らせてしまいます。
しかし、漠然と「時間がかかる」というのは不安ですよね。
だから見通しを持つことが大切だと考えるのです。
僕は人と組織を専門にして企業研修をさせていただき、多くの組織が変わる様子を見てきて、組織変容には過程、段階があることを知りました。
大きく分けて3つのプロセスです。
1、たった1人の味方をつくるプロセス
2、小さな成功体験をつくるプロセス
3、全体に伝播するプロセス
「組織が変わらない」と嘆く人は、社員さんに自分の考え・方針を伝えた瞬間に多くの人が理解してくれると期待するからです。
まずはたった1人で良い、そう考えると楽になりますよね。
最初は「たった1人」の賛同者をつくる
最初の理解者は「たった1人」で良いのです。その人を「ナンバー2」と呼びます
※ナンバー2とは階層の序列ではないですよ。
ナンバー2の特徴は、損得ではなく「思い」「意義」を意気に感じるところにあります。
だからリーダーは、自分がやろうとする事の必要性だけでなく、正直な思い・感情を伝えることが求められます。
でも、これがみんな苦手なのです。
「◯◯する必要がある」は得意。
「◯◯したい」は苦手。
これは言葉の選択の問題ではなく、本当に「したい」と思っている事が重要です。
自発的な組織にしたければ、その「思い」を伝えることです。
ナンバー2はそこに反応するのです。
小さくても良いので成功事例を作る
社員さんの多くはリーダーより、同じ立場のナンバー2の様子を観察しています。
ナンバー2がいつも自発的に動いて楽しそうだったら、自分もそうしたいと思うでしょう。
リーダーはナンバー2を尊重し感謝し、一緒に自発的に行動する愉しさを満喫することが大切です。
「付いてきて当然だ」という態度はご法度ね。
同時に、他のメンバーに「来る者拒まず」という姿勢でオープンに誘うことです。
なんせ扱うテーマが自発性ですから、指示されて「ハイ、分かりました、自発的に動きます」なんてのは全く自発的ではありません(笑)
さて、ここで辛抱強く待つと、自発的に行動したことで起きる良い結果が生まれると思います。
例えば…
顧客から感謝の声や手紙が届き、関わったスタッフが喜ぶ姿
自発的に取り組んだプロジェクトで数値的な成果が出て、それに関わったスタッフが喜ぶ姿
など。
「成果」と「喜ぶ姿」
です。
成功事例を伝える媒体を持つこと
大多数の社員さんが動くには前例が効きます。
マジョリティ(多数派)は損得勘定ができる人たちで、効果、安全安心が確認されてから動きます。
iPhoneが日本に上陸した時に、iPhoneユーザーの友人に「不具合ない?」と確認してから買う人たちです。
波及を促すために社員さんの活躍を報せる社内報や、Slackなどのシステムがあると良いと思います。
さて、この多数派にまで波及すると一気に風土が変わります。
そして「全体が変わった」という実感を持つと思います。
さて、いかがでしょうか?
組織の変容という非常に時間がかかる取り組みですが、大まかで良いので段階を知ると楽になると思います。
そう、「楽になる」が重要で、リーダーが辛そうにしている、イライラしていると風土は変わらないのです。
今日の記事の内容は時々、思い出して欲しいと思います。
きっと良くなりますよ!
それでは今日も素敵な1日をお過ごしください。
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