リーダーがイケイケポジティブになるほどに部下はネガティブになっていく
今日の記事は先日の記事「リーダーが重箱の隅をつつくほどに部下は“うっかり八兵衛”になっていく」の続編です。
その記事はこちら。
リーダーは前向きでイケイケな人が多いのですが、そういうリーダーのもとほどネガティブなメンバーが生まれる現象がよく起きます。
身近にそういうケースありませんか?
リーダーだけが元気で周りがゲンナリしているという状態。
例えば、僕の友人は今から10年以上前、朝礼セミナーなるものに参加しました。
とある会社の朝礼にお邪魔して学んだそうですが、友人の話を聞くと、「朝からハイテンションで夢を語り合う凄まじい朝礼だった」と熱く僕に語りました。
すっかり感化された友人は、僕に興奮気味に話したように社員にも話したそうです。
セミナーの翌朝、社員を集めて、遠くを見つめる眼差しで「ウチもやろう!夢を語り合う朝礼を!」と。
さぞかし社員さんは友人の思いに感化され「分かりました!やりましょう!」と言うかと思いきや、一瞬で社員さんは引いてしまい、場の空気が固まったそうです。
友人は嘆いていましたが、社員さんの気持ち、想像がつきますよね?
友人の態度は「ポジティブ」であり同時に「引っ張る」というもの。
この2つが揃うと周りは冷めてネガティブになると言われています。
社員さんからしたら、突然別世界に誘われたドン引きするのも当然ですよね?
ひとり相撲、笛吹けど踊らず状態になる典型的なケースだと思います。
これを防ぐためには「練る」過程が必要です。
練るとは、対話を重ね、互いの思いを共有する過程です。
僕は「同期するプロセス」と呼んでいます。
「私はこういう朝礼がやりたいが、みんなはどうかな?」と問うて対話するプロセスです。
このプロセスを冷静にこなすと、実は、アイデアがリーダーの軽い思いつきだったという事に気づくケースも多くあります。
または、軽い思いつきではないのに社員の中には自己中心的な理由だけで拒絶する人が出ることもあります。
会社全体の利益、繁栄を考えずに自分だけの都合で拒絶するわがままな人です。
リーダーからするととても腹が立つ存在ですが、そういう人が出た時ほど社員教育の絶好のチャンスだと考えています。
リーダーと同じ視点で物事を考えてもらうチャンス。
その視点とは3つ。
1、会社全体、あるいは地域や社会にとってどうか?という視点
2、今だけでなく長期的な視点
3、金銭的なメリットだけでなく総合的な利益
単に反対、拒絶するのではなく「じゃあ、どうするか?」…替わりの案を3つの視点から考えなきゃいけないということ。
自由と好き勝手は違いますからね。
逆にリーダーには、自分の案と違う代替案が出た場合、それを尊重する寛容さが求められます。
難しいけどね。
テンションが高いのと、熱い思いがあるのとは違います。
落ち着いて静かに燃える熱い炎になるまで、みんなで対話し思いを練ることが肝要です。
練ることは笛吹けど踊らず状態から脱却する一番の方法だと考えています。
【指示ゼロ経営に初めて触れる方へ】
指示ゼロ経営って何? なぜ今の時代に必要なのか?どんな効果があるのか?
□12分の動画にまとめました。
https://youtu.be/opWvcjqsjsA
□また、僕が指示ゼロ経営を始める原体験と思いを綴った記事も参画にして下さい。
「指示ゼロ経営とは?」
https://www.shijizero.jp/archives/n5882