企業の繁栄を決める「一番大切なこと」を見誤ってはいけない

今の時代を乗り切るキーワードは創造性だと考えています。
「今の時代」とは成熟社会のこと。

以前、昭和30年代からバブル崩壊の頃まで、日本は工業化社会でした。
生活者はモノがなく欲しがっていた、そこに効率よくモノを作り市場に流すことで経済が発展した時代です。
そういう時代では合理的な思考を持つ人材が活躍します。

以前、地元商店街の靴屋さんが昔を懐かしむようにこんな事を言っていました。

「朝、店頭に靴を並べておけば夕方には売り切れていた」

もう50年も前の話です。

しかしすぐに時代は変わりました。
大手が郊外に大規模店を出し、一気に市場をさらってしまった。
そのお陰で生活者はモノ的に豊かになりました。

そして今、生活者は欲しい物が少なくなってしまいました。
例えば、8Kのテレビでなくても良いと思う人が多数なのです。
そんな中で、以前よりスペックが良い商品を作ってもダメですよね。

しかし生活者に欲望がなくなったわけではありません。
多くの生活者は「より良く生きたい」と思っている、でもその方法を知らないのです。

「より良く生きたい」とはモノで満たされることではなく心が満たされること。

現代の企業の使命は、この難しい要望に応えることだと思うのです。

その実現の要諦が「創造性」です。
いかに創造性が発動する組織になるかが大命題だと考えるのです。

しかし、創造性の厄介なところは「出そうと思って出せるものではない」ということ。
ある精神状態で愉しんでいると出るものです。

「ワクワク」「愉しい」…仕事の行為そのものに夢中になっていると出る。

それを目指し実現したのがソニーだと思います。
ソニーの設立趣意書はこんな文言から始まります。

「真面目なる技術者の技能を、最高度に発揮せしむべき自由闊達にして愉快なる理想工場の建設」

普通、「世のため人のため」と書くでしょ。

そうではなく自由闊達で愉快に働くとある。

それが創造性を発揮させ、顧客の心を満たす商品・サービスを生み、結果的に収益を生み出したのだと思います。

僕は、これこそが真に求められる働き方改革だと考えるのです。

しかし、実は「改革」はできないのです。
まさに風土に関わることであり、すぐにはできない「秘伝のタレ」を創るような過程だからです。

時間がかかる事を覚悟すること。
そして、時間がかかるのだから、始めるならより早い方が良いということです。

さて、今日のテーマに関心がある方は、10月18日(火)の午後を空けて下さい。
高知市で、ネッツトヨタ南国の相談役、横田英毅さんをお招きして4時間、このテーマを語り合います。
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