「ウチの社員は学習意欲が低い」と思った時に考えてほしいこと
人は自らが「知りたい」と思った時に、まさにスポンジが水を吸うように学びます。
当然のこと、でも、現実は違う。
人材育成においてこの原則がないがしろにされていると感じています。
つまり「知りたいと思う前に押し付けている」ということ。
職場でも家庭でも学校でも。
僕はこの原則の効果を息子で確信しました。
僕の息子は今、大学生なのですが3才くらいから「才能教育研究会」(スズキ・メソード)でバイオリンを習いました。
スズキ・メソードでは入会してもすぐにバイオリンを持たせてくれません。
「その時」が来るまで待ちます。
その時とは、親が一曲、楽しくバイオリンを弾けるようになる時です。
すると「僕にもやらせて」と言う…欲求が立ち上がる瞬間を待つのです。
この理想を企業に当てはめるとこうなります。
先輩や上司が楽しそうに仕事をしているのを見て、自分もああなりたいという欲求が生まれる。
そうなるためには積み重ねなければならない訓練や学習があることを知り、それに挑戦するという構図です。
僕は大学を卒業後、都内のドラッグストアに入社しましたが、店長がいつも胃薬を飲んで辛そうにしていたのを見て、「絶対に店長にはなりたくない」と思ったものでした。
あるいは、目標やビジョンに対し「実現したい」という欲求を持つことも大切です。
例えば、週休二日を導入しようとしている企業があったとします。
経営者はそうすることのメリットを知っています。
だから導入への渇望が強いわけです。
週休体制の導入には現場の社員さんの協力が欠かせませんし、結構な大仕事になります。
だから欲求が立ち上がることが大切です。
ある企業では、週休体制の導入に際し、まずは社員さんと対話をしました。
「導入されるとどんな良いことがあるか?…会社にとって、あなたにとって」
すると…
「採用がしやすくなって急な退職があった時の現場の負担が減る」
「離職が減り現場が安定する」
「行動範囲が広がる」
「旅行に行ける」
「身体が休まる」
考えれば当然のことですが、改めて文字にするとメリットが浮き彫りになります。
そうなった時に、週休体制実現のための具体的な方策、例えば、ローテーションの組み方などのノウハウを知りたいという欲求が起こるのです。
「そこに欲求はあるか?」…プロセスを飛ばしちゃいけない。
要チェックですね!
それでは今日も素敵な1日をお過ごしください。