創造的な仕事をしてほしかったら基本給のウェイトを高めに設定する

バンダイナムコエンターテイメントが2022年4月から基本給を平均で5万円引き上げると発表し話題になっています。
初任給も29万円とのこと!

大盤振る舞いのように思えますが、実は賃金に占める月例賃金(毎月の給料)の割合を増やすということです。
その理由は、流行り廃りの激しい業界にあり、長期的に顧客と繋がることを目指すからだと言います。
つまり長期的な視点で仕事をするには賃金(生活)の安定が欠かせないと考えたからです。

これは日本企業の賃金制度に一石を投じる出来事だと思います。
変化が激しい今の時代において商売を安定させる最も重要な要件は、顧客に永く愛され続けることだと思います。
信頼関係ができていて、一言「こんな商品が出ました」と声をかければ買って下さる顧客をどれだけつくるかだと。

そのためには賃金のあり方を変える必要があると考えています。
目先の報酬に右往左往する制度は即刻、廃止すべきだと思います。

僕はこの重要性を身を以て体験しました。
今から30年以上前、新聞業界は成長期で、それこそ訪問した分だけ購読契約がとれたバラ色の時代でした。

活動量が成果に比例する場合、賃金は「成功報酬型」が最適です。
購読契約を1件とれば1万円といった報酬です。

基本給が低くても頑張れば成功報酬で稼げる。
この方法で月額50万円以上も稼ぐ社員がいました。

しかし業界が成熟期に入り、活動量が成果に繋がらなくなってしまった。
そんな時にあいも変わらず成功報酬型の賃金を続けた新聞店は、社員が焦りから乱暴な営業をして、一番大切な顧客との関係性を破壊してしまったのです。

目先の報酬に目がくらむのは制度の問題で社員の意識の問題ではありません。
「お客様を大切にしなさい」と言ったところで効果はありません。

当社では賃金制度を変え、基本給を高めに設定しました。総額が変わらないので賞与額が減ることになります。
同時に、業績に連動した賃金制度を導入しました。

そのお陰で、多少、リスクのある挑戦ができるようになりました。
みんなで知恵を出し、長期的な視点で顧客と関係性をつくり、しっかりと商品・サービス開発を行い、業態転換に成功しました。
また、離職率も下がり顧客との関係性がより濃くなりました。

こうして上がった業績が、今度は賞与で還元されるのです。

もし御社が成熟期に身を置くならば、今日の方法を参考にして下さい。

それでは今日も素敵な1日を!

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✓目標を100%自分事と捉える
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