社長と社員の意識、考え方のズレは「ある事をサボる」ことから始まる
僕の社長時代、最も反省すべきことを1つ挙げるとしたら…1つに絞れないくらいたくさんの過ちを犯してきましたが、でも、その中でも重大な反省は「対話をサボった」ことにあると思っています。
特に30代の頃です。
会社として何かに挑戦する際、僕1人で計画を立てて、それを発表して、「やる」を前提に一方的に話を進めていました。
「人は自分の意志でのみ動く」…これは指示ゼロ経営に限らず、とても大切なことだと思います。
そして意志は物事に参画した時に生まれます。
参画すると意志が生まれ自分事になり行動が主体的になります。
僕はその基礎である対話をサボったのですが、その理由は、正直に言うと怖かったからです。
対話をすると反対意見が出るかもしれない、だから反論が出づらいように1対1で伝え、「じゃあ、そういうわけでヨロシクね」で進めてしまったのです。
このやり方が間違っていることに気付いたのが40歳くらいの時でした。
対話をして分かったことがあります。
企業には、まず思いがあります。
社会に貢献したいとか、こんな誇り高き仕事がしたいとか、こんなチームワークで仕事がしたいとか。
これは社長から発せられることもありますし、みんなで語り合う中から醸し出されることもありますが、要は共有されていれば良いと考えています。
次に、未来のイメージ、ビジョンです。
そしてその未来を実現する「方法」が来ます。
僕が対話をサボったことで気付いたことは、この3つを丁寧に積み重ねることの重要性です。
対話をしないと自分事にならないのです。
思いやビジョンをすっ飛ばして方法ばかり考えているから、自分の仕事が何につながるか分からなくなってしまうのです。
よく「思いやビジョンを考えるのは社長の仕事」と言う社員さんがいますが、考えるのは社長でも、それをもとに対話をすることが大切です。
最初は社長が言い出したことでも、やがて「同期」され、みんなのものになります。
これを指示ゼロ経営では「同期プロセス」と呼んでいます。
さて、僕の親友に、丁寧な対話を積み重ね同期に成功した男がいます。
社員数600人の会社の一般社員(幹部ではない)が、上層部を説得して自分の身近なチームから指示ゼロ経営を始めました。
彼には権力がないのが功を奏したのだと思います。
強引に動かせないから同意を取るしかない、それが成功要因だったと分析しています。
同意を受けるとこんなにも人とチームは変わるのか?と僕も驚きました。
さて、その彼の指示ゼロ経営導入の物語から学ぶ勉強会を2022年1月29日(土)に行います。
今後の開催の予定はありません。参加費3,000円で受講できますので、この機会に話を聞いてください。
技術的な手法も学べます。