付加価値の高い経営を実現する人材育成と組織づくり
今から10年ほど前、日本経済新聞に「iPhoneの部品の50%ほどがメイド・イン・ジャパン
」という記事が載っていました。
日本の技術力を誇る記事だったのですが、その記事に対し別の新聞社が「でもしかし、日本はiPhoneの部品は作れるけどiPhoneは作れない」という意見を述べ、僕はすごく興味を持ちました。
要するに、真面目で堅実な仕事はできるけどクリエイティブな仕事は苦手だということです。
本当にその通りだと納得したと同時に、僕はすごく怖くなりました。
その理由は、日本が成熟社会に突入したからです。
「このままで大丈夫か?」と。
その昔、大量生産・大量消費の時代は「安い仕事をたくさんやる」スタイルで儲けることが出来ました。
モノがないところに効率よく作って市場に流すことで、皆んながモノを所有できたし企業が成長し賃金も増えました。
先日、あるテレビ番組で70代の方が高度成長期を振り返り「貯金なんてせずに全部使ってしまっていた。それでも不安がなかったのは、来年は今年よりも良くなる予感に満ちていたから」と言っていました。
この時代を工業社会と呼びますが、その歴史は100年以上前にさかのぼります。
そして、それを支える教育システムも確立しました。
いい子で従順、どんな仕事に就いてもテキパキとタスクを積み重ねられる人材を育てる教育です。
求められる能力は倫理的に考える力、計算力…つまり改善能力を持った人材です。
だから5教科が重視されたわけです。
その人たちのお陰でiPhoneの部品をアップルに供給できたわけです。
そういう人材をまとめるにはトップダウン型の指揮系統、上にならえの文化が最適でした。
今、時代は成熟期です。
モノは一通り普及し「欲しい物がない」なんて言う生活者が増えてきた。
しかし欲求がなくなったわけではなく、より抽象的なものやコトを求めるようになりました。
より性能の良い物、スペックが良い物ではなく、次のライフスタイルを求めるようになりました。
そんな時代に求められる能力は、アップルがそうであったように芸術的な感性だと思います。
今、僕が研修でお邪魔している家具メーカーは「安い仕事をたくさんやる」スタイルから完全に脱却し、高付加価値の製品で成功しています。
やることが芸術的なんですよね。
例えば研修場所が美術館だったり、江戸東京博物館だったり、普通、研修をやらない場所を選びます。
組織OSは指示ゼロ経営です。
若い社員さんが自由に発想し個性的なものづくりに挑戦しています。
時代が変われば生活者の欲求が変わり、それに伴い求められる能力が変わり組織運営も変わる。
つまり「全てが変わる」と言っても過言じゃないと考えます。
あなたは何から変えますか?
それでは今日も素敵な1日をお過ごしください!
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