人と組織が育つと報連相が減り「自慢話し」という名の事後報告が増える

「ホウレン草なんかポパイの食い物だ」…僕の目の前でそう言い放ったのは、未来工業株式会社の創業者、故・山田昭男さんです。

よほどホウレン草が嫌いなのかと思いきや、報連相のことでした。
「報連相は食い物じゃない」と突っ込みたくなりましたが、要するに人と組織が育ち、自律的に動き出すと報連相がなくなるということなのです。

僕は嬉しくなりました。
なぜなら全く同じ経験をしたし、報連相を社員に求めた裏に隠された真の動機が分かったからです。

僕が経営した新聞店は指示ゼロ経営になってから報連相が消えました。
その理由はシンプルで「必要ないから」です。
従来のヒエラルキー組織では、上司と部下が1対1で成長対話をしながら仕事を進めます。

何かアイデアがある場合、上司に提案し許可を得てから始めます。
進捗をマメに報告し、困っている時はアドバイスを受けます。
仲間との連携が必要な場合もあると思いますが、その時には上司を交え連携の仕方を確認します。

上司がコントロールセンターなのだから、上司は全てを把握している必要があるし責任もあるわけです。

しかし、このスタイルでは時間がかかる上に、上司の発想枠、思考枠に縛られるのでダイナミックなアイデアは生まれづらい。
こう言っては失礼ですが、上司は「昔の人」なので今の生活者の感性とズレている事があります。

だから、自律型組織が注目されているわけです。

このスタイルをひとことで言えば、「上司が担ってきた役割が集団に埋め込まれる」ということです。

□速い
□アイデアが出る
□責任意識が生まれる
□仕事が楽しくなる

そんなメリットがあります。

同時に、報連相がなくなり、事実上、上司には「事後報告」だけが来るようになります。
僕も経験しましたが、それはどう見ても聞いても「自慢話し」にしか聞こえないのです。

上手く進んでいない時は「弁解、弁明」ですかね?笑
「いや、次の対策は立ててありますから」と言う。

ちょうど先日、研修先の企業さんのミーティングに参加しましたが、社員さん、本当に誇らしげに自慢をしていました。
そして、それを嬉しそうに聞いている経営陣の姿が印象的でした。

僕は自分の会社で社員とこんな関係になって気付いたことがあります。
それは、報連相を社員に求める真の動機は、「自己重要感を満たすため」というものだったということです。

自律的に動き僕の発想を超えたアイデアが出ると、どこか複雑な気持ちになり、その正体に向き合った時に気付いたのです。

でも、寂しさ以上に自慢話しを聞くのは最高に楽しいですよ!

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