現代人の欲求を知れば、人口減少社会でも繁栄する企業になれる
そもそもビジネスは人が幸せに生きるために存在するものです。
幸せの形は時代によって変わります。
貧しい時代では「食うため」「安全に生活するため」という欲求が強いと思いますが、安定すると、「尊敬されたい」「見栄を張りたい」というものに変わります。
ちなみに、僕はこの過渡期を高校生の時に経験しています。
一通りの衣食住が手に入り、より良いものを求めるようになりました。
「より良いもの」とは品質本位ではなく見栄を満たすためのブランド力という時代がバブル期周辺にありました。
服なんかブランドのロゴがデンっと入っている方が売れた、今思うと恥ずかしい時代ですね。
そこでバブル経済が崩壊。
大量生産・大量消費の時代が終わり、後に「失われた時代」と呼ばれる時期が始まります。
さらに、人口減少社会の到来です。
人口減少社会では物価が下がる傾向があります。
人口が減っても生活剤の供給力は落ちないからです。
(参照:人口減少 日本はこう変わる 古田 隆彦【著】)
ベーシックインカムとまではいきませんが、多くの人にとって最低限の生活は手に入れやすくなります。
すると、「より良く生きる」ということを考えるようになります。
歴史を紐解くと、江戸中期〜後期のように人口が減少する時代で文化が花開くことが分かっています。
モノの豊かさだけじゃなく精神的な豊かさを求めるようになるわけですが、その行き着く先は「自分はどう生きるか」という哲学的な境地です。
人生の最大テーマと言っても過言ではない課題です。
こうした意識の進化は経営を根本から変えます。
より稼ぐ。
他者より稼ぐ。
出世する。
持ち家を所有する。
こうした欲求を満たすために栄養ドリンクを飲んで24時間戦う時代は終わり、自己表現を求めている人が増えています。
それなのに経営が前時代的だったら歪が生じますよね。
それは離職率の高さに表れたり、ヤル気や自発性の低下、創造性の欠如といった症状に表れます。
僕は、自分の仕事やホワイト企業大賞の委員をする中で素晴らしい社長に出会ってきましたが、皆さんに共通する思想があることに気付きました。
それは「会社とは、そこに携わる人たちの人生が開花するための舞台である」というものです。
自社は何のために存在しているのでしょうか?
抽象的な話ですが、企業繁栄の哲理だと考えています。
それでは今日も素敵な1日を!