採用に強い会社には「あなたの会社で働きたい」と思わせるパワーフレーズがある

求人広告に待遇しか書かないから、それにしか興味がない人ばかり集まる

採用活動と選挙活動は似ています。
どういうことかと言うと、政治家は地域や国家のビジョンを語り、共感者・支持者を増やします。

採用活動も同じで、自社の思いやビジョンに共感する人とのマッチングをやっているのです。
マッチングですよ!
相思相愛の関係です。
採用する側の方が強い、そんな考え方の企業なんて今どきないと思いますが、互いに大切なパートナーを探す重要な活動なのです。

ところが、実際はどうか?
あたかも、選挙運動が利害関係だけで進むことがあるように、採用活動も利害に偏ることが多いと感じています。
具体的には、待遇に偏っているということ。

試しに求人雑誌を見てください。
仕事内容、給与、賞与、休日、社会保険、福利厚生しか載っていない企業がほとんどです。

勿論、それらは重要な要件ですが、待遇に偏った求人広告を出すと、それにしか興味がない人が集まってきてしまいます。

自発的なヤル気が高い人、指示ゼロで動ける人、挑戦意欲が高い人、失敗しても立ち直れる人…求める人材は来ないのです。
こういう人と出会いたければ、そういうメッセージを投げることです。
そのメッセージとは「働きがい」です。

キーワードは「この瞬間をたくさん作りたくて商売をしている」

求人に関する問題のほとんどは、このキーワードで解決します。

「この瞬間をたくさん作りたくて商売をしている」

事例でご紹介します。
僕が尊敬する社長に、Rさんという女性がします。
ご商売は「完全アレルギー対応のパン屋」です。

商売を始めたキッカケはご自身の息子さんに思いアレルギーがあったからです。
お友達から聞く、ケーキやパン、お菓子など、子どもが大好きな食べ物を、何1つ食べたことがないのです。

そして、辛そうなわが子を見るたびにRさんも罪の意識に苛まれて苦しみました。

一度でいいから息子にパンを食べさせたい、そんな思いでパンの修行をしました。
そして、初めてパンを焼き食べさせた時の息子さんの笑顔、そして罪の意識からの開放を味わった時に決意しました。

「こんな思いが親子でできるなら、私はパン屋になる」

そして、その時の体験…「瞬間」をたくさんの人に味わって欲しくてこの仕事をしていると、多くの人に伝えています。

それを聞いたある人は顧客になり、ある人はスタッフなる…自社の思いやビジョンに共感する人とのマッチングが行われているのです。

どんな企業にも、大切にしている思いを物語るエピソードはあると思います。
もし、なくても、「こんな瞬間をつくりたい」という思いがあればOK。
きっと、それを伝えれば、今いる仲間との関係が変わるし、採用も変わると思います。

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