社員が会社のビジョンに無関心なのは、そこに自分が登場しないから
人は自分に関係のないことには関心を持ちません。
例えば、ゴルフに関心のない僕は自分の家の一番近くにあるゴルフショップを言えません。
逆に関心のあることには「超能力か?」と思わせるような力を発揮します。
僕はワインが大好きだから、雑誌をパラパラっとめくるだけで「ワイン」の文字を発見してしまいますもんね。
仕事も同じだと思います。
社員が経営絵理念や自社のビジョンに無関心なのは「自分には関係ない」と思っているからじゃないかな?
それよりも今期の自分の成績が気になります。
早く仕事を切り上げて一杯やることが関心事です。
では、どうすれば関心を持ってくれるのか?…今日は関心あるビジョンに関して考えてみたいと思います。
人は自分に関係があることはやる。お金以上に強い動機を持っている
ビジョンを自分事と捉えない原因は、そこに自分が登場しないからだと考えています。
会社のビジョンであって自分のビジョンではない。
そういう場合、社員さんが口にする言葉を聞けば分かります。
大体、「会社のビジョン」「社長のビジョン」という言い方をします。
これが自分事になると「私たちのビジョン」と言うようになります。
これを「我々化」と呼んでいます。
ではどうすれば我々化はできるのでしょうか?
先日、岩手県一関市の「京屋染物店」の蜂谷悠介社長がすごく分かりやすい例えで語ってくれました。
今、この床に30cm幅、長さ30mの板が置いてあったとします。板の上を歩けますか?もちろんできますよね?これが100mのビルとビルの間にかかっていたらどうでしょうか?やりますか?やらないですよね?では、もし渡ることができたら1000万円もらえるとします。やりますか?…(やるとやらないが3対7くらいになる) では、もし向こうのビルに自分の子どもが凶悪犯罪者に羽交い締めにされナイフを突きつけられていたら、どうしますか?
皆さん、急に真剣な目になり「もちろん渡ります」と言うのです。
自分に関係があることはやるのです。
そしてお金以上に強い動機を持っているのです。
ビジョンを統合せよ。リアルに描け。
この例えを仕事で考えてみます。
弊社の新聞配達員に家族のためにがんばっている方がいます。飲み会などではいつもお子さんの自慢話を嬉しそうにします。
毎日、雨の日も雪の日も午前2時くらいに出勤しています。
このモチベーションの源、分かりますよね?
では、彼が弊社のビジョンに関心を持ってくれるためには何が必要でしょうか?
これも分かりますよね?
会社がどうなるか?だけでは自分事にはならないと思います。
給料がいくら増えたか?だけでもダメ。
ビジョンとは目を閉じれば未来の「その日」が動画で再生されるものです。
2020年◯月◯日の昼過ぎ。
弊社の成功をあるテレビ局が取材に来ることになっています。彼は昼間の仕事を特別に早く切り上げ取材を受ける気満々でやってきました。いつもはジャージしか着ないのに、なぜかその日はオシャレなスーツを着ている。どうやら取材用にポール・スミスで新調したらしい。薄紫色のネクタイが大人の色気を引き立てている。
仲間にからかわれながらも、彼は誇り高き目をしていました。それもそのはず。弊社の成功の立役者だからだ。
最初に女性インタビュアーが社長にこれまでの取り組みを事細かに訪ねた。どんな想いで、どんな発想で、どんなことをやってきたのか?
次に、スタッフにカメラが向く。彼は語った。自分の仕事への想いを、お客様のお役に立つことの悦びを。
取材の放映は当日の6時40分ころに全国ネットで流されると告げられた。
家族で食事をとっている時間だ。彼は家族に予告せずにさり気なくチャンネルを合わせた。
最初に気づいたのは小学3年生の息子だった。
「あれ、父ちゃんじゃん!!!!」
彼は息子に語りました。自分の仕事のこと、どれだけ誇りを持って仕事をしているか、大変なこともあったこと…
そして、それを乗り越えられたのは「お前がいるからだ」と。
ずっと伝えたかったことを、初めて息子に伝えられたのです。
指示ゼロ経営の一番ベースに来るのは「望みの統合」です。
会社のビジョンと個人のビジョンを統合するのです。
しかも、それは「全員参加」で初めてできるものです。
自分が望むことだから自分事と捉える。
望むことだから言われなくても自発的に取り組む。
自発的に取り組むから楽しくなり、またヤル気に繋がる
とても自然なエネルギー循環だと思います。
会社のビジョンに自分が登場する。
しかもリアリティあるビジョンです。
統合させましょう!リアルに描きましょう!
【現在受付中のセミナー一覧】
ビジョン作成に関心がある方はこちらからお問い合わせください。