自社にチームワークは必要なのか? 必要なければ求めない

「我社にはチームワークは要らない」と言った経営者がいます。
また極端なことを…と思ったのですが、理由を聞くと納得しました。
その会社は、基本、受注事業(下請け)で、仕事も決められたルーチンワークなのです。
各人に割り当てられた仕事を1人で黙々とこなせば良いというのです。

確かに、こういう会社ではチームワークは要らないのかもしれません。
自発性も要らない。

それよりも大切なことは元請け会社との関係性だと言っていました。

この社長は、要らないものは求めないという潔い考え方なのです。
とても大切なことだと思いました。
世の中、CS(顧客満足)が大事、ES(従業員満足)も大事、自発性、ヤル気、チームワーク、マーケティングなどなど、それぞれの専門家が「これが一番大事」と説きますが、自社にとって取捨選択する目が必要だと思います。

そして、この社長の言葉からは、チームワークを求める人にとって大きな学びがあると思いました。

「ルーチンワークだけなのでチームワークは要らない」…ということは、そうでない創造的、挑戦的な仕事の場合は必要ということ。
そして、同時に、創造的、挑戦的な仕事をしないとチームワークは形成されないということ。

ここ、すごく大事。
卵が先か鶏が先かという感じですが、「創造的、挑戦的な仕事をしないとチームワークは形成されない」僕はそう確信を持っています。

共創・協働はみんなで力を合わせないと解決できない課題に直面した時に、必然的に起きるものです。

僕は、チームワークや自律性に関して悩みを持つ社長の話を聞く中で、このことを痛感しています。
チームワークや自発性・自律性が育たないのは、社員に問題があるのではなく、そもそも育たない環境になっていると。

さらに、悩みを聞く時に、「チームワークや自律性がないことで何か困っていますか?」と聞くようにしています。
すると、特に困っていないこともあるのです。
困ってはいない、でも漠然と必要だと感じているというケースです。

必要なければ不要。
今、必要なくても将来的に必要になるなら、今から準備する必要があると考えるのです。

将来的に必要になるということは、今の状態では実現できない未来があるということで、その未来を社員さんと一緒に話し合うことが大切だと考えます。
しっかり対話する中で、社員さんが「そりゃ、今よりもチームワーク、自発性が必要になるな」と気付いてくれます。

この時点でとても自発的ですよね?

チームワークや自発性、自律性に関しては、社員教育よりも、まずは環境を整えることの方が先決です。

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