得れば失うものがある。失ったから得るものがある。
何かを得ると、同時に何かを失う。逆に、失ったことで得るものがあると思います。
例えば、傷ついた経験で自信を失うことがありますが、自信がないことで慎重さを得たり、自信がない人の気持ちが分かる優しさを得ることができます。
色んな経験で自分が変わっていきますが、今の自分で生き方をデザインすることが大切だと思うのです。
僕は24歳で家業を継ぎました。
大学を卒業して都内のドラッグストアに就職した、その3ヶ月後に父が急逝したため跡を継ぎました。
世間知らずのボンボンで務まるほど社長業は甘くありません。
知識も経験もない…ないないづくしでとても苦労しましたが、なくてよかったと思うことがあります。
それは、空気を読んで自分を殺すことです。
自分にそれがなかったから、僕は社員にも要求しなかったし、だから自由闊達な風土ができたのだと思っています。
僕が就職したドラッグストアには空気を読んで周りに合わせる文化がありました。
そこに染まる前に辞めることができたのは良かったと、今では思っています。
僕は、空気が読めないことを責めた時期がありました。
笑い話になるレベルなのです。
就活で、紳士服のコナカを受けました。
面接に、僕は自慢のコムデギャルソンのスーツを着て行きました。
この時点で落第ですが、面接官が皮肉たっぷりに「良いスーツですね」と言ったのに対し、僕は「流石、お目が高い!」と言ってしまったのです。
家業を継いだ後にもありました。
取引先の新聞社のお偉いさんが参加する新年会でのことです。
宴席の前、お偉いさんの挨拶の時に、隣に座っていた方が僕の足をトントンと叩きました。
さすがの僕も理解しました。
全員が正座をしている中、僕だけあぐらをかいていたのです。
ヤバっと思ったのですが、今動くとかえって目立つ…そのまま動かず耐えました。
宴席が始まり、僕はお偉いさんにお酌に行きました。
そういう事はできるのですが、お酌をした際に、その方が皮肉たっぷりに「君は大物だね」と言ったの対し、僕は、本気で「ありがとうございます!」と言って相手を呆れさせてしまったのです。
その様子を見ていた、僕の足を叩いた方が「それがお前の良さだ」と言ってくれましたが、それが皮肉なのか、今でも分かりません。
僕はこの性質で損をしたこともありますが、変な忖度をしない社風というかけがえのないものも得ました。
きっと、誰しも得たことで失ったものもあるし、失ったことで得たこともあるんじゃないかな?
今の自分で、何をデザインするか、そんな視点で自分を愛することができたら道が拓けるのだと思います。
GWも残りわずかです。
旅行やレジャー、帰省を失ったからこそ得ることが、きっとあるんじゃないでしょうか。
それでは引き続き素敵なGWをお過ごしください。
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