「アイツが悪い」という犯人探しが起きている組織の処方箋

人は、何か上手く行かないことがあると「犯人探し」をしたくなるものです。
チーム内でこれが起きると悪循環のドツボにはまると思います。
「あの人がヤル気がないから」と言えば、その人は「ヤル気が失せるような事を言うヤツがいる」と言う…
犯人探しで問題が解決することはない、そう思います。

今日の記事では、犯人探しのドツボに陥らないために大切な事を考えたいと思います。

組織の不協和音はみんなで奏でている

ドツボにはまった時、最終的にリーダーが責任を負うのが手っ取り早い方法です。
「こうなったのは私の責任だ」と言うと、その場は収まりますが、根本的な解決にはなりません。
犯人探しの風土を治す必要があると思うのです。

先日、京都の怪物企業、株式会社ヒューマンフォーラムの出路雅明会長の話を聞く機会がありました。
その中で出路さんがこの事を分かりやすく伝えていました。

「手を叩くと音が出る。その音は右手から出たのか?左手から出たのか?」
両手がぶつかる作用で出た音ですよね。
犯人探しは「音が出たのは右手の責任か? 左手の責任か?」という議論と同じだと言うことです。

すごく納得しました。
出路さんは「全員がつくり出した現実」という事を伝えたのです。
そして、だからこそ、この事を全員の共通認識にする重要性を説いたのです。

さらに詳しく考えたいと思います。
人の集団は課題に直面すると3つの役割が自然発生すると言われています。

全体をリードする「リーダー役」
リーダー役の動きに乗り加速させる「フォロワー役」
縁の下の力持ちである「ギャラリー役」です。
(※ギャラリー役と名付けたのは、一見すると眺めているだけに見えるからです)

さて、この3役ですが、組織の活力を生む場合とそうでない場合があります。
・リーダー役が独裁的、独りよがり。
・フォロワー役が馴れ合いでリーダー役の腰ぎんちゃく。
・ギャラリー役は無関心な傍観者。

これでは集団は良い仕事ができませんが、この現実を作っているのは誰でしょうか?

ダメな状態から脱却するのもみんなの力

もし、無関心なギャラリー役を注意すると、大抵「リーダー役が独りよがりで、やってられない」と言います。
ではリーダー役に「もっとみんなの意見を聞かないとダメ」と注意すると、大抵「みんながヤル気ゼロだから私が頑張っているんです」と言う。

まさに不協和音を全員で出しているのであり、犯人探しは解決になりません。

この状態から脱却するためには、各々が勇気を出して自分に出来る行動を起こすことだと考えています。

例えば、実際にあったケースで紹介すると…
リーダー役がメンバーに「オレが独りよがりになっていた」「みんなの正直な思いを聞かせて欲しい」と伝えたことで馴れ合いから脱却した。
フォロワー役が勇気を出して、リーダー役とは違う意見を「怖いし勇気がいるけれどチームを良くするために言います」と発言してチームの空気が変わった。

こうしたケースは、どれも真摯に関わる人が出て、その姿勢を見たメンバーが心を打たれて、全体の空気が変わったのです。
キッカケは1人から始まったが、それに周りが応えて調和した音を奏でた、つまり皆んなで作り出した現実です。

ダメな状態もみんなでつくり出した。
そこからの脱却もみんなでやった。

チームが悪くなる時も、良くなる時も、こうした作用があるのだと思います。

あなたには何ができるでしょうか。

人は犯人探しが好きな生き物です。
今日、この記事を最後まで読んだ方は、是非、仲間に共有して欲しいと願っています。

それでは今日も素敵な1日をお過ごしください。

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