2021年は業態転換が加速する。転換を成功させる3つのポイント
帝国データバンクの調査で、コロナ禍で業態転換を検討している企業が2割以上あることが分かりました。
それに合わせ、政府が助成金を出すという情報も流れています。
産業地図が変わりそうです。
僕は23年間、新聞店を経営してきました。
新聞業界は1997年をピークに衰退期に入っていますが、その間3回、業態転換に挑戦しました。
最初と2回目は失敗、3回目にして成功しました。
成否を分けた「違い」を痛いほど知りました。
今日の記事では、中小企業の業態転換の鉄則を考えたいと思います。
儲かるからという理由だけでは業態転換は成功しない
僕は、特に最初の失敗から多くを学びました。
その時の挑戦は通販事業でした。
信州(長野県)の名産品…野沢菜漬けや蕎麦などの通販です。
通販を決めた理由は、インターネットの普及とともに通販業界が成長期に入ったからです。
安直っですよね?
失敗の原因は品質管理の問題でした。
野沢菜漬けは発酵食品で、非常に扱いが難しく、例えば、輸送途中に発酵が進み味が変わってしまうのです。
忘れもしない、3月のある日…気候が緩み始めた頃、「酸っぱくて食えたもんじゃない」というクレームの嵐にさらされました。
食品の素人には無理だと思い、1000万円以上の損失を抱えたまま通販事業をやめることにしました。
さて、僕の失敗は本当に失敗だったのでしょうか?
失敗ではなく「途中で諦めた」ということです。
つまり、「その程度の失敗でやめてしまえることをやっていた」ということです。
事業に対する思いがなかったんですね。
僕が学んだことは、取り組む事業が成長産業であるか?も重要ですが、「自分が真に思いを込められるものか?」が最も重要だということです。
思い、手段、収益の3段活用で考える
3回目の挑戦は「地域づくり」です。
それは指示ゼロ経営の思想の実現です。
「その人だからできることで誰かに喜ばれる生き方」…これを社内に留めず、地域に広げたいと思ったのです。
具体的には、地域の課題を地域の人たちが集まり解決する「場」の創設です。
行政のトップダウンではなく地域の自律的な活動が必要だと考えたのです。
この事業は数年前に行政から予算をいただき広がりを見せています。
この業態転換の考え方はこう。
「思い」→「やること(手段)」→「手にするもの」
この3つが繋がっていることが大切だと考えています。
「その人だからできることで誰かに喜ばれる生き方」…これを体現する「1つの」手段が地域づくりだったということです。
他にもやり方はあると思います。
政治家になるとか、ロータリークラブなどに入るとか。
いつくかある手段の中で、自社の経営資源が生きるものを選んだのです。
そして、ちゃんと収益を手にできるか?です。
思いがあれば可能性は無限に広がる
最後に、ある少年の事例をご紹介します。
今から6年ほど前、夢新聞に参加した少年の夢は「教育長になる」というものでした。
それには理由があります。
実は、彼には発達障がいがあり、特別支援学校で学んでいます。
彼は知っているのです。
社会に出たら「特別に支援してくれる人がいなくなる」ことを。
だから、インクルーシブ学級(障がいがある子も、そうでない子も同じ教室で学ぶ学級)が必要だと考えたのです。
自分に出来ないことがあれば、それを仲間に伝え支援を求めることが大切。
同時に、障がいのある子も、人の役に立つ才能や個性があるから、それが活きる協働の学級をつくりたいと考えているのです。
すごい少年ですよね?
もしかしたら、彼は大きくなるにつれ思いを実現する手段(職業)は変わるかもしれません。
でも、彼が彼であり続ければ、可能性は無限だと思うのです。
「思い」→「やること(手段)」→「手にするもの」
この3段活用が業態転換を成功に導く指針になる、そう考えているのです。
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