社員の評価制度で成功する会社と失敗する会社は何が違うのか?
昨年は新型コロナの影響で民間企業の賞与が、全体で▲2.6%だったそうです。
業種によっては特需で増えたところもありますが、やはり全体としては儲からなかったようです。
さて、賞与額は会社の業績だけでなく、個人の成績・評価でも変わります。
人事考課で賞与や昇給額を決めている企業は多いと思います。
ところが、この人事考課が難しく、上手く行っていない会社も多くあります。
上手く行っているところもある。
その差はどこにあるのか?
これを今日のテーマにしたいと思います。
人事考課が過去の精算になると人も組織も育たない
人事考課、評価制度が上手くいかないのは、処遇(賞与や昇給)のためになっているからだと考えています。
本来は人とチームが育つためにあるはずなのに。
この考え方だと人もチームも育たちません。
その理由は、考課が「過去の精算」に成り下がっているからです。
例えば、低い評価をされた社員は、「次はもっと頑張らねば」と前向きに捉えるかというと、必ずしもそうではありません。
「罰を受けたんだからチャラ」と考える人も結構いるのです。
精算という考え方で言えば、分かりやすい事例があります。
ある保育園では、保育時間を過ぎても迎えに来ない保護者がいる事が問題になっていました。
そこで、ペナルティーとして延長料金を設定しました。
で、どうなったか?
ちゃんと時間までに迎えに来るようになるどころか、ペナルティーを支払えば遅くなってもOKと考える保護者が増えてしまったそうです。
人事考課は未来を創るために行うことが大切だと思うのです。
しかも「チームの未来」を。
全体最適を実現し、未来を創る評価制度
人事考課が上手く行かない、もう1つの原因に「個人の評価」で終わってしまっているからというものがあります。
上司が個々の部下と面談をして成長課題を確認することは良いと思うのですが、それでチームが成長するかと言えばそうじゃない。
業務は、流れとつながり=各工程の最適化で成果を出します。
例えば、印刷屋さんでは…
受注→見本制作→校正→印刷→包装→完成品の配達→請求
こんな流れでお金を生み出しています。
この図解では、梱包の部署に仕事が溜まっています。
このボトルネックで流れが滞って、納期が遅れたり、時間あたりのアウトプットが減ったりします。
個別評価をすると、梱包以外の部署は「よくやった」と評価され、梱包は「もっと効率化を考えましょう」と課題を出されるかもしれません。
しかし、ボトルネックは固定されたものではなく移り変わるので、いつまで経ってもアウトプットが増えないのです。
対し、チームワークが良い会社は、1人1人が全体の流れとアウトプットを見て、滞りがある工程にヘルプに入るなどして全体最適を実現します。
これができるのは、全体のチェックをみんなで行っているからです。
人事考課の方法も変わります。
「自分が何をするか?」の前に、チームとしての課題をみんなで話し合い、その上で自分の課題を見つけるのです。
未来志向の人事考課です。
人事考課が過去の精算になっていないか?
この時期だからこそチェックが必要だと思うのです。
それでは今日も素敵な1日をお過ごしください。
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