ヒビが入った人間関係を修復する「出会い直し」のセレモニー

ある会社では人間関係が悪く、業務に支障をきたしていたそうです。
離職の原因にもなっており最重要課題に位置づけ対策を立てました。
まず行ったのが、上司がメンバー1人1人と面談を行いケアをするという取り組みです。

しかし、一向に良くなりません。
それどころか、より悪くなるし続けているうちに上司が精神的に参ってしまいました。

この職場では今、全く違う方法で解決に臨んでいます。

どうして面談をしても良くならなかったのでしょうか?
新しい取り組みとはどんなものなのでしょうか?

やればやるほど疑心暗鬼を生む個別面談

僕は、1人1人との面談で人間関係を良くすることは難しいと考えています。
プロのカウンセラーでもない限り無理じゃないかと思っています。

その理由は依存が生まれるからです。
上司は部下の人間関係の悩みを聞き、対策を立てようとあれこれ考えます。
部下は、上司になんとかして欲しいと望みます。

職場で最も多い悩みは人間関係ですので、頻繁に誰かが上司に相談をするという状態になりました。
あなたがこの職場にいたらどんな事を感じるでしょうか?
僕だったら疑心暗鬼になると思います。

「もしかしたら◯◯さんは、私のことで相談しているかも?」と。

僕にも経験があり、面談をすればするほどメンバー間の人間関係は泥沼化しました。
社内はいつも緊張に包まれ、社員は体調不良になるわ、メンバー同士の連携ができなく業務に支障をきたすわ、何よりも出社するのが苦痛になりました。

上司も参ってしまいます。
部下からの相談に応えようとするわけですが、何かアクションを起こすと、誰かから相談を受けたことが分かってしまいます。
手も足も出せなくなりストレスだけを抱えることになります。

個々の相談は、解決を前提にせず「悩みを聞くだけ」にした方が良いと考えます。

出会い直しのセレモニーで人間関係を修復する

冒頭の職場では確かな効果がで始めています。

まず、これまで書いたことをメンバーに伝えました。
同時に、上司は「自分1人では解決できない」と伝えます。

そもそも良好な人間関係づくりの責任者は「全員」です。
誰かが何とかしてくれるという態度が人間関係悪化の原因ですからね。

その上で…
1、協働作業を行う
2、互いの人生を知る
3、互いの似ている部分を確認する

この3テップを取り組みます。

人間関係は「勘違い」から始まりコミュニケーションの行き違いで起こります。
まずは、意思を通わせることが大切ですが、そのためには協働してやる仕事が必要だと思います。
作業は、そこそこ大変だけど単純なものが良いと考えています。
大掃除とかです。

協働作業は互いの心開く効果があります。
その上で、2の互いの人生を知る対話を行います。
メンバーの中には、母子家庭で育ったとか、子どもの頃にイジメを受けたといったプライベートな話をする人もいます。

そして3です。
仲間の話を聞き、相手と自分の似ていると思う部分、共通すると思う部分を伝え合います。

これは互いの心が分離から同化・共感に変わる効果があります。

こうして徐々に互いの心が1つになっていったと言います。

最後に、同社のマネージャーの言葉を紹介します。

「誰1人、悪い人はいないし、会社を悪くしようと思っている人はいない。単なるコミュニケーションの行き違いが原因だったのだと思う」

一度、ゼロベースに戻し「出会い直し」をすることが人間関係の修復には必要だと実感した事例でした。

それでは今日も素敵な1日をお過ごしください。

 

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