人間関係の摩擦を見事に解消したリーダーの対話術
リーダーは部下から様々な相談を受けると思いますが、一番、されて困る相談は人間関係に関することではないでしょうか?
「最近◯◯さんが私を無視するんです」「リーダーから注意してくれないですか?」と。
人間関係に関することは互いに言い分があるから注意ができませんよね。
おそらくリーダーの悩みの中でも最も厄介だと思うのです。
そんな時、どう対応したら良いのか?
今日はそんな問題を考えたいと思います。
人間関係の摩擦はコミュニケーション不足に起因する
まず、人間関係の摩擦の原因のほとんどはコミュニケーション不足だと思います。
最初は悪気があるわけじゃなく、ちょっとした行き違いです。
例えば、AさんはBさんの仕事が溜まっているの見兼ねて、気を利かせてAさんに黙って仕事を手伝いました。
しかしBさんはこう解釈した。
「私は必要ないってこと?」と。
もしBさんがAさんの行為が善意から来るものだと知れば摩擦は起きないと思います。
逆にAさんが「困っているみたいだから手伝うよ」と言えば済んだ話かもしれません。
面白い話がります。
オー・ヘンリーの「賢者の贈り物」という短編小説の話です。
妻は夫へのクリスマスプレゼントを買おうと思ったがお金が足りなかった。
そこで自分の美しい髪の毛を売り工面しました。
一方、夫は妻にプレゼントを買おうとしたが予算が足りないので自分の懐中時計を売り工面をしました。
妻が買ったプレゼントは懐中時計の鎖。
夫が買ったものは櫛(クシ)だった。
ダメじゃ〜ん(爆)
が、しかし、この物語は「互いの思いやり」を受け取り幸せなクリスマスを過ごしたという美談なのです。
新婚さんなのでしょうか?
これが20年夫婦だったらトラブルになったかもしれません 笑
人間関係の摩擦はコミュニケーション不足に起因するのです。
心理的安全性の基礎はリーダーから創るべし
さて、先程のAさんBさんの件に話を戻します。
Bさんは社長に相談しました。
「Aさんが私を窓際に追いやろうとしている」と。
その時の社長の対応は見事なものでした。
なんとBさんに謝ったのです。
「こうした事が起きた時に、仲間同士で話し合いができない、そんな雰囲気になっているのは私の責任だ。申し訳ない」
社長には確固たる考え方があるのです。
それは、部下には円滑なコミュニケーションで自律的に課題を解決することを求めています。
しかし、円滑なコミュニケーションが取れないような雰囲気の責任は自分にあると考えているのです。
そこで全員を集め、自分も輪に入り話し合いをしました。
摩擦が起きた時に、その都度リーダーに相談に来ても問題は解決しないこと。
それどころか、余計に意思の疎通が難しくなり問題がややこしくなること。
だからメンバー間のコミュニケーションをもっと良くする必要があること。
そして大前提は「みんな会社を良くしようと思っていてくれること」だということを確認しました。
そして「仲間同士の話し合いがしづらいのなら、それは私の責任」と伝えた上で、どうすれば円滑なコミュニケーションが取れるかを話し合いました。
その時のメンバーの心境が想像できますでしょうか?
円滑な話し合いには心理的安全性が欠かせません。
それを妨げるのが責任追及をされる恐れです。
恐れがあると身構え保身に走りますし、身を守るためがゆえに矛先を他人に向けたくなります。
その恐れをリーダーが一手に引き受けたのです。
見事だと思いました。
□みんな会社を良くしようと思っている
□摩擦はコミュニケーション不足が原因
□重い話し合いこそ心理的安全性が必要
安心して話し合える環境が整えば、人間関係をも自分たちで制御できるようになり、リーダーへの相談は減ると思います。
それでは今日も素敵な1日をお過ごしください。
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