短期間で変わった組織はすぐに元に戻ってしまう。時間をかけて熟成すべし
経営者は長期的なスパンでの収益を考えるべし
人体は「すぐには変わらない」という話を聞いたことがあります。
同時に、早く変わったものは早く元に戻ってしまうと思うのです。
例えば、「3日で◯kg痩せた」なんて広告を見ますが、3日で元に戻ると思います。
人体がすぐに変わるとしたら、健康体の人が3日後に死ぬ可能性もある…だから簡単には変わらないようにできていると言うのです。
商売も同じだと思います。
なぜかビジネスパーソンは「短期間で成果を出す」という事に価値を感じるようです。
売上増、組織の変革と。
短期間で変わったものはすぐに元に戻ると思うのです。
同時に、時間をかけて変わることが最も効率が良い方法だと僕は考えています。
例えば、「時間あたりの売上総利益」という考え方があります。
1億円を稼ぐのに3ヶ月かかった会社と、1ヶ月でやった会社では後者の方が優秀とされています。
でも、これはもっと深く考える必要があると思うのです。
後者が10年〜30年のスパンで見た時に効率よく稼いでいることがあります。
典型的な事例は老舗企業です。
老舗を老舗たらしめているものはブランド力です。
ブランド力の定義は様々ですが、顧客や地域などから絶大な信頼を得ていることは間違いないでしょう。
信頼は一朝一夕に創られるものではありません。
じっくりじっくりと醸成されていくもの。
そのためには、短期間で見た「時間あたりの稼ぎ」の視点からは非効率な活動も必要になります。
例えば、顧客との信頼関係や真似ができない技術といった蓄積で得られるものです。
老舗はこうした積み重ねで、長期的なスパンでの「時間あたりの稼ぎ」が高い商売をしているのだと思います。
ある短い期間だけ切り取ったら稼ぎが悪いこともあると思います。
下積み生活が長い演歌歌手の方が息が長いと言われますが、こういう事なのかもしれませんね。
時間をかけて強くしなやかな組織をつくる
組織の成長も同じです。
僕は指示ゼロ経営を10年かけて実現しました。
やってみて思ったことは、完全に体質が変わったということ。
始めて3年くらいの時に、組織が少し良くなり「これで上手くいった」と思ったのですが、困難に直面した時に弱さが露呈しました。
そして、その困難を乗り越えた時にさらにしなやかで強い組織に成長した。
僕も社員もとても大変な思いを経験しながら、組織の体質改善がなされたのです。
特に指示ゼロ経営は「リーダーの手で」創り上げるものではありません。
それは自律的とは言えないからです。
リーダーを含め、自分たちで自分たちのやり方ややり方を決めることで変容していきます。
結果的に10年もかかったわけですが、タフさの違いには自信があります。
本当に大切なことはすぐには手に入らない。
だから、経営者は短期的な収益を計算しながら、長期に渡る成長シナリオを描くことが大切だと考えます。
最後に、深い話をご紹介します。
僕はホワイト企業大賞の企画・審査委員をやっていますが、委員でご一緒している、ネッツトヨタ南国の横田 英毅会長の思想です。
以前に、僕が「これまでに苦労されたことは何ですか?」と聞いたところ、「あまりないんです」と言いました。
その理由に頭をハンマーで殴られたような衝撃を受けました。
「すぐに手に入れようとするから苦労するんです。大切なものはすぐには手に入らないと心得ているのです」
時間をかけて強くしなやかな組織をつくりたいものですね。
それでは今日も素敵な1日をお過ごしください。
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