あの社員にヤル気がないのは本人ではなく周りとの関係性にあるかも?と疑う

物事は「根本原因」に手を付けないと改善しません。
例えば、胃痛を改善するために胃薬を飲んでも、根本原因がストレスならば治りませんよね。
人材育成も同じだと思います。

・消極的
・独りよがり
・ミスが多い
・否定的

スタッフがこうした状態になっている根本原因は、実は本人ではない事があります。
他者、仲間との関わりが原因である可能性があるのです。
人は関係性の中で自分の立ち位置を決めるからです。

根本原因に手を付けずに、その本人を注意・指導しても治らないどころか人間関係が悪くなることもある。
リーダーにはチームを俯瞰して、1人の言動が関係性から生まれていることを観る視点が求められます。

ネガティブなあのスタッフの言動は、実はリーダーに原因がある

実は、原因は本人ではなくリーダーにあるケースが多くあります。
例えば…
否定的な態度やポカミスが多いケースです。

人は人間関係の中でエネルギーバランスを取ると言われています。

上の図は、縦軸が「自立ー依存」で横軸が「ポジティブーネガティブ」です。
すると4つの領域ができますよね?
右上の「自立+ポジティブ」はイケイケなタイプです。
この領域に偏った人がいると、なぜか対極に位置する「依存ーネガティブ」が現れます。

例えば、リーダーがセミナーに出た翌朝の朝礼で「お前ら!今日から本気の朝礼やるぞー!」と言ったとします。
(社長あるあるネタw)
すると、皆んなも「おー!」となるかと言えばそうじゃない。
「また社長が思いつきで変なことを言い出したよ…」となる。

それを見た社長は「なんて消極的なヤツらなんだ」と嘆きますが、原因は社長の過ぎた「自立+ポジティブ」です。

ポカミスをするあのスタッフは、実はリーダーに原因がある

ポカミスをするスタッフがいると思います。
リーダーとこんなやり取りをしていないでしょうか?

ポカ氏:「あ、間違えちゃった…」
リーダー:「ちょっと、何度言えば分かるのよ?」
ポカ氏:「す、すみません…」
リーダー「まったくもう…」

この関係を上の図に当てはめると、リーダーは「ネガティブー依存」(重箱の隅をつつくタイプ)で部下が対極に位置する「ポジティブー依存」(うっかり八兵衛)という関係になります。
両者はとても相性が良いのです。
部下は「親分がいないとワシ、ダメなの」、リーダーは「まったく…私がいないとダメなのね」という依存関係ですから。

会議で発言しないあの人は、しないではなく「できない」のかも

最後は、会議あるあるネタです。
会議中に積極的に発言する人は少数で、多くのスタッフが黙っているというケースは非常に多いです。
リーダーは「もっと積極的に絡んで欲しい」と嘆きますが、実は、原因は本人とは限りません。

発言する一部の人たちが会議を独占している事が原因であることが多い。
普段、よく喋るあなたも、自分以上に喋る人がいると大人しくなることがあると思います。
これもエネルギーバランスです。

何も対策をしないと、チームはこの構図に陥ってしまいます。
優れたチームには、皆んなが発言できるように調整する役割がいます。

1つは、発言しない人に「◯◯さん、何かないですか?」と意見を求める人です。
振られると発言するのです。
もう1つは「交通整理」と言って、喋り過ぎの人に「他の人の意見も聞いてみよう」と制止する役割です。

と、いくつか具体例で解説しましたが、大切なことは関係性を観る視点だと思います。

物事は「根本原因」に手を付けないと改善しません。
エネルギーバランスという視点がリーダーには求められると思うのです。

それでは今日も素敵な1日をお過ごしください。

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