社員の創造性を養いたいなら、ジャングルジムではなく砂場で遊ばせよう
そもそも人は新しい挑戦が苦手
よく、入社式や経営計画発表会などで、社長が「固定観念に縛られずに新しい発想をしよう」と言いますよね?
僕も様々な団体でこの言葉を聞きましたが、単なる挨拶の定型句になっていると感じています。
メモ魔の友人の記録を見せてもらいましたが、なんとある団体では20年間も言い続けていました…
「固定観念に縛られず、新しい挨拶をしよう」と言いたくなった 笑
同じ仕事を10年もやっていると思考の枠組みが出来上がってしまい、新しい発想はできないんじゃないかと思います。
そもそも人は新しい発想で新しい挑戦をすることが苦手です。
その理由は、人間は損をしたくない生き物だからだと言います。
面白い実験があります。
当たりとハズレは半々のクジがあります。
当たりを引けば1万円がもらえますが、ハズレを引くと5,000円払わなければなりません。
辞退するという選択肢もあります。
すると、多くの人は辞退を選びます。
確率は半々で当たりの場合の報酬の方が大きいのだから論理的には挑戦するのが妥当なのですがね。
されに、辞退しても3,000円もらえるという条件を提示すると、さらに多くの人が辞退を選ぶそうです。
これ、企業で言えば、新しい分野へ挑戦すれば一攫千金の可能性がある。
でもハズせば損をするかも。
挑戦しなくても、すぐには困らない。(3,000円はもらえる)
そんな状況に似ていると思います。
挑戦の難しさが分かる実験ですね。
でも、「損をしたくない」という性質を利用すれば、挑戦しないことで訪れる将来的な危機をリアルにイメージできれば克服できるということです。
変化、変容する組織は危機感のマネジメントが上手なのだと思います。
砂場を用意して、砂場で育った人間を入れる
新しい挑戦をしたくても頭が固かったら発想が生まれないという問題があります。
僕もそうですが、頭はすぐに固くなってしまいます。
成功体験が思考の枠組みを作るから。
話は変わりますが、以前に朝日新聞の特集で教育学者が面白いこと寄稿していました。
子どもの創造性を養いたいなら、ジャングルジムではなく砂場で遊ばせようという内容でした。
ジャングルジムは枠が細かく決められていますので発想が限定されるが、砂場は大枠しかなく自由度が高いので創造性を養うのに適しているという話しでした。
なるほど〜
企業には様々な枠組みがあります。
当たり前にあるので、それが枠組みであるとさえ認識していないかもしれない。
だから頭が固い人は「こういうもんだ」と言う。
組織の創造性を確保するためには枠組みがない、砂場を用意するとともに、砂場で遊んだ人を仲間に入れるしか方法はないのかもしれません。
僕が23年間所属した新聞業界も頭が古く固い業界です。
でも、そんな中にあり、ある新聞社が「読者との座談会」なるものを企画しました。
新聞記者と市民が意見を交わすイベントを行ったのです。
つまり、砂場を用意して、砂場で遊んだ人(市民)を入れたのです。
記者に話を聞きましたが、一様に「ショックを受けた」と言います。
自分たちの当たり前が非常識だったと気付いたからです。
でも、本当は記者だけでなく、権限を持つ経営陣も入らないと効果がないと思うのですがね…
よく、イノベーションは「よそ者、若者、バカ者」が起こすと言います。
それは内部だけでは不可能だと思います。
外部との交流、しかも一番の影響者であるお客様との交流が活性した砂場をつくる秘訣なんじゃないかと思うのです。
それでは今日も素敵な1日をお過ごしください。
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