米澤晋也の「銀だら事件」から見る、企業が間違った判断をする理由
変えちゃいけないことを変えておかしくなった企業
企業には「変わらないこと」と「変えること」があると思います。
変わらないこととは理念です。
絶対に変えちゃいけないかと言えば、そんな事もないですが、理念がコロコロ変わる企業も怪しいですよね? 笑
一方で変えることとは、時代の変化に合わせ商品・サービスや、その提供の仕方、組織づくりなどです。
永く繁栄する企業は、この2つをやっています。
でも、変えちゃいけないもの=理念を持ち続けることは難しい。
気が付けば理念を忘れ、おかしくなる企業も多くあります。
例えば、あるレストランでコロナ禍でそれをやってしまいました。
売上をつくるためにテイクアウト可能な商品を開発したのは良いが、これまでお店が貫いてきたこだわりを捨て、テイクアウトできるものなら何でも売る、とやってしまったのです。
その店を愛し続けたお客様は、「あの店、おかしくなった」と残念がっていました。
勿論、新しいお客様は獲得できると思いますが、事業を支えてくれるのは既存客です。
その既存客が離れることは最大のリスクです。
変えちゃいけないことを変えた。
変えることを間違えた。
とは言っても、背に腹は代えられませんから、誰もが陥る可能性があると思うのです。
特に組織では。
集団が間違った判断をする原因の1つに「極性化」があります。
これは、極端な判断に皆んながなびいてしまう現象です。
「こだわっている場合じゃない!!!」とリーダーが言うと、皆んなが思考停止を起こしてしまう危険性です。
怖いですよね…
もし、選択を間違えない確実な方法があるとしたら、外部の人間、とくに既存客の声に耳を傾けることだと思います。
必ず発生する組織の歪みの解消に先手を打つには
話は変わりますが、僕の子どもたちが通った高校は創立90年を超える伝統校です。
僕が感心したのは、90年経っても建学の理念を受け継いでいることです。
90年の間に、校長も教員も生徒も、全員が入れ替わるでしょ?
なのに連綿と受け継がれるって凄いことだと思ったのです。
その理由を僕なりに考察したところOBの影響だという事が分かりました。
同窓会がしっかりしていて、高校に対し物を言うのです。
当然、時代に合わせ教育の方法は変わりますから、それに関しては言いません。
口を出すのは建学の理念が体現されているかどうか?に関してです。
結構、厳しく指摘します。
つまり、企業で言えばお客様にあたる存在です。
企業は内部だけで物事を決めるとおかしくなります。
世間とズレた判断をしたり時として違法行為をすることもある。
慶應義塾大学の菊澤研宗氏の著書「改革の不条理」では行動経済学の知見から、企業の不祥事の原因を分析しています。
不祥事を起こす企業も、別に社長が悪人ではありません。
少しづつ歪みが生じるのですが、それに対し内部で批判的な意見を言う人がいないことで歪みが大きくなっていくと言います。
内部の人間が批判をするのは非常にエネルギーを使いますし気も遣います。
その労を避けてしまうのです。
だから風通しが良く自由に発言できる風土が求められますが、それと同時に外部の声を聞く必要があると言います。
変えなきゃいけないこと。
変えてはいけないこと。
これを間違えたことが、僕が、昔、通販で信州の特産品を販売した時に、売上に困り「信州味噌で漬けた銀だらの西京漬け」なんてゲテモノを売ってしまった理由ですね(笑)
それでは今日も素敵な1日をお過ごしください。
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