スタッフのヤル気と自発性が再生産されるエコシステム経営への変容
カリスマ性とマネジメント力があるリーダーがグイグイと引っ張る組織は、カリスマが健在の間は成長しますが、その人が不調に陥ったり引退した時は危ないと思います。
大抵、その人を超えるカリスマは出ないものです。
真に強い会社とはカリスマの力に依存せずに、組織自体に天才性が宿っています。
持続可能な会社とはこういう会社だと思うのです。
今日の記事は、持続可能な組織とは?…そんな事を考えたいと思います。
持続可能な組織は1つの生命体のように自律的に成長する
持続可能な組織とは、集団が意思を持った1つの生命体のように自律的に動きます。
この事を分かりやすくするために集団をリンゴの木に例えて考えてみます。
カリスマによりガッチリと管理された会社をリンゴの木に例えると、人間の手で管理された木です。
土壌に肥料を撒き、害虫がつかないように農薬を散布し、実が落ちないようにカードします。
そのお陰で私たちは全国、どこにいても美味しいリンゴが食べられるわけです。
しかし、天候不順など外的な環境変化に弱いと言われています。
人間の組織で言うと、リーダーが部下のヤル気を引き出し、仕事がしやすいようにタスクが管理されている職場です。
リンゴの木同様、環境の変化に対応することは苦手です。
変化が激しく何が正解かリーダーにも分からない時代だからです。
さて、農業の世界には自然農法なるものがあります。
僕が尊敬してやまない農家、中道農園の中道 唯幸さんは自然農法でお米を育てています。
「育てている」というよりも「育っている」という表現の方が適切かもしれません。
農薬も肥料も使わない、自然な環境で育つのです。
森本繁生とゆず(柴犬)と中道夫妻
農薬と肥料をストップして、最初の3年間はちゃんと育たなかったそうですが、4年目からは放っておいても育つようになったそうです。 しかも、元気で天候の変化に強く、味も良い。
指示ゼロ経営の集団はこのお米と同じように、自らの力で育っていくのです。
エゴシステムからエコシステムの経営へ
指示ゼロ経営の集団をリンゴの木に例えると、無農薬、肥料なしで育ったリンゴの木です。
リーダーが変にお膳立てをしません。
具体的には、自分たちで課題を見つけ、三人寄れば文殊の知恵を出し、役割を決め、行動し、行動した結果を検証して次に活かす…これを自分たちでやります。
すると、失敗をすることもありますが徐々に成長し「果実」を得ます。
果実とは、収益であったり働く喜びなどです。
その果実が次のモチベーションの源になり、さらなる行動を起こします。
翌年はさらに多くの果実を得ることができる。
これが指示ゼロ経営のエコシステム…持続可能な経営です。
僕は自分の会社が指示ゼロ経営になってから、社員のやる気を引き出すなんてことは1回もしていません。
自分たちで供給するので、引き出す必要がないからです。
僕は2年前に社長を引退しました。
まったく支障はありませんでした。
岐阜市にある美容室「月と風」(武藤 花緒理社長)は約3年前に創業しました。
創業時から指示ゼロ経営を導入しています。
お店は武藤さんが操縦するわけではなく、店舗のメンバーが1つの生命体となり自律的に活動しています。
だから店長というポジションもありません。
創業1年後には早くも2店舗目を出店しましたが、これもエコシステムで経営しているからこその成果だと思います。
以前にお店にお邪魔してスタッフさんの話を聞きましたが、みなさん、自分たちで得た果実を満喫していました。
リーダーがコントロールするエゴシステムから自律的に行動するエコシステムへ。
企業のOSは変わっていくと考えています。
それでは今日も素敵な1日を。
誰も縛らない、誰にも縛られないあなたが大好きです!