これからはリーダーの力ではなく集団の力学で成長するチームの育成が求められる
上司は、物理的に部下1人1人と関わることができない
リーダー、マネージャーからよく聞かれる悩みに「チームの隅々にまで目が行き届かない」「なかなか1人1人を指導できない」というものがあります。
ご自身の力不足に悩む方がほとんどですが、僕はそうは思いません。
物理的に不可能だと考えているのです。
今、リーダー、マネージャーも自分の仕事を持っている…プレイングマネージャーだからチームやメンバーに費やせる時間は限られているからです。
例えば、5人の部下がいるマネージャーで考えます。
もし、リーダーに部下と関わる時間が2時間あったとします。
(実際はそんなに時間は取れませんが…)
すると、部下1人あたりに使える時間は24分しかありません。
でも、実際は違います。
悩みを抱えている部下、問題を抱えている部下に多くの時間が割かれます。
上の事例では、3人の部下は、たった8分しか関わってもらえないことになります。
チームの隅々にまで目を配る、1人1人を指導することには限界があるのです。
また、このように1人の上司が複数の部下と個別の成長対話をする事には別の問題もあります。
それは、上司の限界が部下の限界になることです。
現場を最も知っているのは現場の人間です。
現場で素早く決め行動するのが最善ですが、いちいち上司に報告していては判断が鈍ります。
では、部下に任せれば良いのか?ということですが、部下だって1人では心細いです。
で、上司に相談をすると、冒頭の問題…1人1人と十分に関われないという問題に戻ってしまいます。
この悩みを解消する最良の策は、学習する集団を育てることだと考えています。
自律的に学習する集団になれば上司は自由になれる
学習する組織は、このような関係図になります。
この特徴は、関係性の数が、n(n-1)と大幅に増えることにあります。
(nはメンバーの数、図の場合20の関係性ができあがります、上司がワンオンワンの指導を行う場合、5しかありません)
このように、互いに学び合う関係性にはメリットはたくさんあります。
1、分からない事はすぐに仲間に聞ける(分からない事を放置したまま先に進むとチンプンカンプンになる)
2、教えた人が一番学習する
3、思いもよらぬ凄いアイデアが生まれることがある
4、精神的なメンテナンスを自分たちで行うようになる
5、自分たちで決めるので自発的な責任感が生まれる
6、変化に強い
これが学習する集団の特徴です。
ただし、この関係性をつくるにはいくつかの要件があります。
□まず、メンバー同士が互いを知り共感を持っていること
□助け合うことが全体の成果を生むということを知っていること
□変な忖度がなく、自由に発言できること
□メンバーみんなが実現を望む思いや未来があること
まだまだありますが、こうした要件が整わないと学習する集団の実現は難しいと考えています。
さて、学習する集団になるとリーダー、マネージャーはどうなるでしょうか?
外部の人間が見ると「何もしていない」「名ばかりリーダー」のように見えるようです。
だから僕は、指示ゼロマネージャー養成講座のことを、別名「名ばかりマネージャー養成講座」と呼んでいるのです 笑
いずれにせよ、これからはリーダーの力ではなく集団の力学で成長するチーム育成が欠かせない、そう考えています。
それでは今日も素敵な1日をお過ごしください。
誰も縛らない、誰にも縛られないあなたが大好きです!
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