全盲の少女に「赤ってどんな色ですか?」と聞かれたら…
GWは、僕がこれまでお世話になった恩師のことを書きます。
僕は、中学時代から、隣の町にある、地域で一番自由な校風の高校に行くことを決めていました。
実際は、自由と好き勝手をはき違えたような部分もありましたが、入試の成績は上位30番くらいでした。
それが卒業時には下から数えて30番(笑)
偏差値で言えば30くらい。
入れる大学がなく、親にお願いして浪人することにしました。
そこで出会った小論文の先生が僕の人生を変えました。
名を堰免善夫先生と言います。
読めないでしょ?
「せぎめんよしお」と読みます。
名物予備校講師100選の上位にランクインするほどに変わっている。
入学式の挨拶で、その春に受験に合格した教え子のエピーソードを話しているうちに号泣。
上京したての米澤少年は「これが都会か」とビックリしましたが、あとで同じ長野県出身であること知りました。
実は、先生のことはずっと忘れていましたが、昨年の正月に、ふっと思い出したのです。
「亡くなったか…」そう思ってネットで調べたら生きていた(笑)
しかも60代後半ですが、今だに現役。
小論文の授業はいつも感動の嵐で、一番泣いているのは堰免先生。
泣くというのは、全人類が共通して持っている普遍的な「理」があるからで、それを独創的に伝えるのが小論文だと教えられました。
起承転結ではなく「序破急」の3幕で文章を構成する。
何が言いたいか…結論だけ決めたら、ブレーンストーミングで思いつくワードを紙に書きなぐり、そこから構成を考える等、僕には斬新な知見の連発でした。
情熱がすごい。
受講生に全盲の少女がいました。
その子に「先生、赤ってどんな色ですか?」と聞かれ、ず〜っと考えこんで…
「小論文の講師なのに赤がどんな色か説明もできない」と悔しがり号泣。
「あがは…なんというが…こう、情熱…じょうねず…うう…キミが、赤という…うう、あがという色を…知りたい…じりたいんだよね?」
「それが赤だ」
一同「????」
でも、その少女には分かったみたいで、「真っ赤ですね」と言う。
確かに興奮して真っ赤な顔をしていたなぁ。
かなりの変人ですが、僕の恩師です。
高校卒業時に偏差値30だと、1年間浪人しても限界があります。
だから、当時はまだ珍しかった小論文入試を狙ったわけですが、それが人生を変えた。
大学に合格しただけでなく、伝えるということを学んだのは、その後に人生に大きなプラスになりました。
でも、僕のブログなんか堰免先生が添削したら、真っ赤になるんだろうな〜
真っ赤な顔で怒って、情熱の赤ペンで容赦なく指摘されて、悔しさで真っ赤になる僕。
僕のことは覚えていないと思いますが、先生が生きているうちに会いに行こうと思います。
そして、感謝の気持ちを伝えたいです。
それでは引き続きGWをお楽しみください!